とても素敵なお父さんの話を聞いた
血の繋がりのない子供たちを、不器用ながらも大切に慈しんでいたことが伝わってきた
その話を聞いたとき、涙が出た
私にも、こんな素敵なお父さんがいたらなぁ…
私にはお父さんがいない
正確には、お父さんと呼んでいい人がいない
認知はされているけど(生まれてから二年後にされたらしい)私がお父さんに会ったことは片手で足りるくらいの回数だ
昔はパパという言葉を知らなくて先生に怒られたり、お母さんが夜勤で働いていることを同級生たちに嘘だと罵られたり、可哀そうな環境の子だから仲良くしてあげなさいと同情されたりしてきたから、私はお父さんのいないことが嫌だった
未婚で育ててくれた母にも、世話をしてくれた祖母にも感謝はしているけど、あの時の私は父親がいないことが一番のコンプレックスだった
正しいはずの先生も、仲間であるはずの同級生も、見守ってくれるはずの大人たちの一歩引いた対応が寂しくて悔しかったから
父親がいないだけでいじめられたことのある私には、離婚が原因で片親になった子たちには向けられる慰めすらも嫉妬してしまうくらい父親が初めからいない環境が嫌だったのだ
だから母が男の人と付き合いだしたと聞いたとき、複雑だった
その頃、ちょうど私が生まれた時に父である人が結婚していたこと(付き合っていたときはまだ結婚していなかったらしい)奥さんは連れ子がいるらしく、父親のメアドから男の子が二人いるんだろうということを知った私には、もう父親に幻想は抱いていなかったし、父親に甘えたことがない私がどうやって見ず知らずの人を父親だと思えるのかと悩んだのだ
お互いに分からない者同士ではあったけど、仲よくしようとは思っていた…ハズだった
結果的に私は二度とその人には会いたくないと思うくらいのことをされた
お前がいなければ幸せになれたのにって、昔親戚やいろんな人から言われたことを改めて言われ、酔った勢いで私の大切なものをめちゃくちゃに傷つけられた
…なのにお母さんはいまだにその人と毎日連絡を取ってる
私が独り立ちをしたらまた一緒に暮らそうって言いあってる
「お父さんのところに行った方が幸せになれたと思うよ。お嬢様として、大事に大切に育ててもらえたのかもね」
昔、母が笑って言っていたこと
何度か事実なら良かったのになって思ったことがあった
お母さんと義理のお父さんとの生活は最低最悪だったから、お父さんの義理のお母さんの生活なら幸せだと思えたはずだって思いたかった
そうすれば、私だって誰かを愛せたかもしれない
親との関係に後ろ暗いことがもう少し少なければ、私も誰かを好きになれたのかもしれない
今の私は誰かに好意を向けられると気持ち悪いと思ってしまう
どうせこの人も一緒に暮らせば変わってしまうのだろう、と信じれなくなってしまう
友人関係以上の関係を求められると、それまで築き上げてきた信頼が崩れていく感覚が襲ってくる
誰かを好きになったことはない
結婚したいとか、誰かと付き合いたいと思ったことも一度だってない
認知症の祖母から笑顔でひ孫が見たいと言われると申し訳ないと思いながらも無理だと苦笑いしてしまう
私は誰かを好きになるのが怖いし、好きになられるのも怖い
それを治そうとも思わないし、もうすぐ結婚適齢期だと言われても焦りはない
だからあんなに子供を愛せた人もいた聞いたとき、私はそうなりたいと思わずに、そうだったら良かったのにと思ってしまった
愛せた人ではなく、私は愛されてきた人たちの立場を羨んだ
大人の立場の見本ではなく、子供の立場に立ってしまったのだ
愛されなかったとは思いません
私には家も母も祖母だっていましたから
友達だっていたし、無条件で懐いてくれていたペットたちもたくさんいましたし
だけど異性からの愛には恐怖しか感じないんです
優しさや気遣いは嬉しいですが、それ以上のものを少しでも感じると、その人のことが気持ち悪くなってしまうんです
他人が愛し合うのは微笑ましくても、自分が当事者にされると嫌になってしまうんです
もし、どちらかのお父さんから愛されていると思えたら、私も誰かを愛せたのでしょうか?
47189通目の宛名のないメール
お返事が届いています
名前のない小瓶
逆の立場の者です。
父親(死別しましたが)に、認知している子供がいます。
母が私を妊娠中に父が不倫をして、私の同級生の異母兄弟が産まれた、との事。
世間で言う、隠し子、という状態です。
私のきょうだい、も、このような辛い気持ちを抱えて生きてきたのかな、と、心がギュっとなりながら、小瓶主様の文を読んでいます。
軽はずみなことは言えませんし、分かったようなお答えも出来ませんが……お辛かったですね。たくさん悲しい重いもしてきましたよね、幼少期から、お一人で戦ってきたのですね。
うちの父は、不倫の罪悪感とそれ以前からの母の気持ちの温度差に苦しみ、自ら命を絶ちました。
こちらも、父親とは指折り数えるほどしか会ったことがなく、父親のいない苦しさ、は味わいはしましたが…小瓶主様の状況とは比べ物にならないくらい、過酷な心情だった事だろうと…。
異性からの愛情が苦しく感じる状態かと思われますが、ご自分を責めずにいていただきたいです。
焦らず、という言葉が適切かは分かりませんし不快な思いをさせてしまったら申し訳ないのですが、小瓶主様が今感じている気持ちを、どうか責めずに、辛くなりすぎずに過ごせるといいな、と思います。
恐怖に感じるならば、異性からの愛情に関して思い悩むと、精神的な負担が大きくなってしまわれると思いますので、まずは自分の辛かったバックグラウンドや悲しく感じた気持ちを、ご自身で「辛かったね」「子供時代の自分、よく耐えたね」と受け止めていく事で、傷を癒していく、ここからはじめてみるのはいかがでしょうか?
言いたいことが上手く伝わらず申し訳ないですが…何だか、いてもたってもいられず、お返事をしました。拙い文で不快にさせてしまったらごめんなさい。
ななしさん
愛情を受け取って幼少時を過ごせなかった人は大人になり自分に子供が出来ても、愛情を知らないから子供に愛情を与えることが出来ないというのは、あながち間違いではないです。やはり環境で左右されてしまう部分も大いにあるでしょう。
しかし、親から愛情を貰ってもトラウマとかでなかなか異性を好きになれない人もいますし、好かれる事に嫌悪感を抱いてしまう人もいます。あなたは父がいない事にコンプレックスを抱えていますが、父がいる私でさえ父にコンプレックスを抱いてしまうケースもあるわけです。つまり父がいるから良いとか、悪いとかは決められません。変な父ならいない方が良いし、父がいなくても幸せな人は幸せです。人が云々よりも、あなたが大人になる上でどのような人生を送りたいのか、どう過ごしたいか、ある意味自分の事をあれこれ考える事が生きていく上では重要かと思うのです。私事ですが、異性関係が一番難しいと思います。異性は他人です。男性と女性では考え方も異なり衝突してしまう部分もあるでしょう。優しくされるのは良いけれども、それ以上の関係にはなりたくないのも、相手に対して恋愛感情が無いから、又は潔癖か、相手の事を信用していないから、という理由など様々ありますよね。私は好きな人とは一緒にいたいなとは思うけれども、いわゆる彼氏彼女関係には欠かせないような行為そのものはあまりしたくないので、付き合うまでは発展させたくないんです。ちょっとこじれていると思いますが、簡単な話じゃないんです。
こんなコンプレックスを抱えていたりで、やりずらい部分も人にはあるわけですから、あまり気を滅入らないように。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。