幸せだった。
好きな人に誕生日をお祝いしてもらった。
2人きり。
あっという間の数時間。
待ってる時間さえドキドキする。
顔見ただけで、笑顔になれる。
不思議。
楽しくて、嬉しくて、恥ずかしい。
ずっと目を見て話していたいのに、
恥ずかしくて泳いでしまう目。
話ばかり進んで、箸がちっとも進まない。
全然食べてないのに、もうお腹いっぱい。
帰りたくなかった。
このまま時間が止まってしまえばいいのに。
『好き』って言いそうになる。
言葉も表情も仕草も全部。
ふとした時に『好き』って思う。
腕に触れたくなる。
もっともっと話していたくて、
終電ギリギリまでサヨナラができない。
なんて幸せな時間だったんだろう。
一緒にいれることが幸せだった。
これ以上、近づいちゃダメだ。
ダメな自分を見られたくない。
誰かを好きになるなんて、
私には似合わない。
私は誰にも愛されない。
もう傷つきたくないんだ。
昨日の出来事は、夢なんだ。
そう、夢。
現実を見なきゃ。
私は一人が似合ってる。
強くなれ、私。
私には愛なんて似合わない。
私は愛の育み方を知らないんだから。