自分の事がキライ。
形が嫌い
声が嫌い
考え方が嫌い
笑顔が嫌い
泣き顔が嫌い
大体の全部が嫌い
嫌いな部品で作られ過ぎるから
何にも見たくない
何にも聞きたくない
誰とも出会わないのに
真っ暗の中でいたい
新しいものはちっとも要らない
そうだったのに。
夕飯を買って
お気に入りの喫茶店に寄って
河原を歩いて帰ってたら
夕陽が揺らめいていて
その時ふと思った
ちっぽけな自分の事
嫌いだと思うのは他の何かが好きだから
他の何かってたぶん本当は何も無くて
嫌いだと思ってたのは好きだったから
ほんとうは大好きなんだろうと
大好きになりたいのに素直になれないんだろうって
ほんとうに嫌いだったなら
簡単にあきらめていられたのに
みんながすごいからと言い聞かせるように
自分がだめだからと思い出すように
いつからそうだったのかは思い出せないけど
いつもひとりだった
だれかといてもひとりだった
どこかですこしズレているような気がしていた
大きくなってから不思議に思っていた
全部が嫌いなのに
どうして死なないままいるのだろうって
どうして諦めないでいられるのだろうって
自分でも理解できなかったけどちょっとわかったよ
空っぽなままの自分を
嫌いだと嘆きながらも
それでも好きになりたかった
ちっぽけな、あまりにもちっぽけな自分
それがわたし
全部嫌い
才能にあふれた眩しい星も
努力する事を諦めた暗い海も
自分の居場所じゃないと知っている
歩けば道は出来て
歩かなければ未来はない
空も海もなくたって
空っ風とギターサウンドが響くなら
それでいいと思えた