今から話すのはおれの友達の話
出会ったのは大学1年生の頃
最初は友達の友達っていう状態で
不安そうにおれのことを見ながらぺこっと挨拶をしてくれて
『人見知りかな?』って思ったのが最初の最初
そこからだんだん話すようになって、だんだん親しくなっていった
そいつはよく笑う。ツボが浅いみたいで、ちょっとしたことでも嬉しそうに笑う。
すごく無邪気な顔して笑うから、おれも一緒に笑っちゃう。
すごく、すごく、幸せだなって最近思う
でも、そいつは意外とドライで
要らないと思った人とは無理に付き合わない
断捨離上手
おれは自分自身に自信がない
だから、明日いきなり嫌われるかも、とか
たまに考えてしまう
もちろん、好きも嫌いもそいつの自由だから
おれがどうこうするものでもないけど
正直、嫌われたらかなり落ち込むと思う。
それくらい、おれはそいつが好きだから、人として
だから、最近は嫌われる日が来てしまうまでは全力で関わろうと思ったり
そんなある日、そいつを含めた何人かで居酒屋に行くことがあって
たまたまその日はおれが少し疲れてて
体力的にというよりは、精神的に
それもあってか普段酔わないお酒に酔って
口数が少なくなっていくのが自分でもわかるくらい話せなくなってた
それで、おれが黙ってたら
そいつがいつになくおれに話しかけてきてくれて
2軒目まで誘ってくれて
2軒目では
たくさん話をしてくれて、たくさん話を聞いてくれた
おれの背中をぽんぽんさすりながら
おれが元気ないのとか、1軒目でおれが言いたいことを言えてなかったのを
そいつは気づいてくれてたんだと思う
だから2軒目まで誘ってくれたんだと思った
おれはそいつにすごく救われた
正直、少し泣いた
そいつと出会えてよかったって、改めて思った
嫌われる日が来てしまうまではって、今でも時々考えてしまうけど
そんなことは今は考えずに
もう少しだけ、そいつのことと自分のこと
信じてみようかな、と思う
これから先も、ずっと今の幸せが続くといいなって、本当に思う。
これは無邪気な笑顔のおれの友達の話
おれが大好きな、おれの友達の話