会社に入って7年。
大人はズルいことを学んだ。
嘘や裏切りなんて、日常茶飯事。
人を蹴落として、
人の上に立とうとする。
いない所で、
いない人の悪口を言う。
それが社内の人であれ、お客さんであれ。
素直さなんて、純粋さなんて、不必要だ。
人間らしくいることよりも、
機械的に動かなければ、壊れてしまう。
感情なんていらない。
「無」でなければ。
誰の言うことも、行動も、
裏があるのではないかと疑う癖。
笑顔や褒め言葉に、
思ってもないくせにとシラける。
疑心暗鬼。
四面楚歌。
最初は会社の人に対してだけだったのに。
友達や家族、
はたまた他人に対しても、
もう信じることが出来ない。
心を開けば、
付け込まれることを知ってしまったから。
自分が傷つくことを知ってしまったから。
痛みを覚えてしまったから。
人が怖い。
いつから、
私はこんなに歪んだ考え方をするようになったのだろう。
こんな風に思ってる私の方がよっぽどおかしいか。
もう、前の私には、戻れない。