過去に好きだった人と会った。
やっぱり好きだった。
だけど、諦めの好きで、
枯れてる好きで、
しおれていた。
しおれた花を植える場所なんてなくて、
というか植えちゃいけないわけで、
植えたくもないわけで、
だけどとにかく枯れてるとはいえ
好き、で、
やり場のない想いに私は、
ただただ、酒を飲んで誤魔化した。
なんだか、許せないだとか、
怒りだとか、
そんな感情に変わりさえして、
やっぱりいつまで経ってもあの人は
私の中の衝撃で、
光で、金槌みたいで、悔しかった。
深い、深い、心の深海みたいなところから
大好きだなって、思った。
はがゆいね。
最近私が手にしたのは、
ほんのちいさな、ちいさな、
恋のつぼみ。
なのか、なんなのか。
わからないけれど、とっても柔らかくて、
ちゃんと見てないと消えちゃいそうなくらい繊細で、その気持ちをもってることが、怖いくらいの。
比べて仕舞えばそりゃ、ね。
比べられないのだけど。
いま手の中にあるのかないのか、だけど
そんなつぼみが、信じられなくて。
あなたのことが好きなんじゃない。
ただその安心感が欲しいだけ。
私を受け入れてくれるかもしれない。
ただそれが好きなだけ。
誰でもいいってわけじゃないけど、
きっと誰でもよかったんだと思うし、
寂しいからってわけじゃないけど、
きっと寂しかったんだと思う。
そんな時に、ふわりふわり、
手のひらにやさしいやさしいつぼみがね、
落ちて来て、思わず掴んでしまったのね
ごめんなさい。
私はあなたを利用しているだけなのか
それとも好きが比べ物にならないくらいまだちいさなつぼみすぎて、わからないのか、
わからない。
だから、怖くて怖くて。
繊細で、やわらかくて、しっとりしたあなたを、むげにできなくて。
なんだか、ごめんねっていって、
抱きしめたくて、よくわからない。
たんぽぽみたいな、
あなたが好きかもしれない。
果たして、植える場所は、あるだろうか。
この気持ちのやり場を、
探したら、あなたがよかった。
こんな相反する気持ちを、
よくも抱えられるものだ。
いつからこんなに振れ幅つけることができたのか。
ぐちゃぐちゃに、
されたんだ。
会ったら、ぐちゃぐちゃに、
傷ついて、もうくしゃくしゃになった。
だけどわたしは花を、
綺麗な花を、植えたいんだ。
もう枯れた花なんていらない。
わたしは、たんぽぽみたいなあなたと、
恋がしたいんだ。
ポイ。とな。