だって、大人になったら
歯車にならなきゃいけないんだから
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
なんにも考えずに
この世界というからくりをまわす歯車の一つに
それが普通で、それだけが普通で、
歯車だって自覚もないままぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
おかしいなんてなんにも思わないし、なんにも考えないんだ
だって、自分のこと否定するの怖いもんね
だって、自分の意味がなくなっちゃうもんね
だからいま、したいことしておきたいんだ
いいこになりなさいっていわれるけど、
あなたのためって言われるけど、
でもさ、多分いいこの大人になったらね
今思ってることは絶対考えられないんだろうなって
それはわかるんだ
それだけはわかるんだ
だって、大人になったら
したいことなんてできないんだから
考える時間なんてないし、
そんな必要もないんだ
それはきっと素晴らしく幸せで不幸で、筋が通っていて、
柔らかくて冷たくて、
寂しくて容赦がなくて、
なんて完璧に不完全なことなんだろう!
苦しくて楽しくて、もう嫌になっちゃうけどそんな暇も隙間もないんだ
いつかそこらでぷつっと途切れて、
歯車が欠けて落ちてしまったら
また新しい歯車があてられる
なんて無駄が無くて繊細なんだろう!
だからいま、地べたを這いつくばっていたいんだ
地面を体で感じていたい
池に映った自分が見える人になりたい
等身大の他人が見える人になりたい
だって大人になったら、
歯車のひとつになっちゃうんだから
心が生きてるうちにしか、今しか考えられないこと、できないこと、きっとあるはずだよ