泣いているあの子の
みずがめは
ゆれながら
崩れ行く前の表情を映し込んでいる
わるい日光カメラよ
そのデータは
日が沈む前に
消し去ってくれ
きみのてをとって
してあげたかったことは
ほんとうは
山のように
背中を向けて本を読んでいたけど
何も気づかないふりは
できなかったなぁ
声をかける代わりに
きみに、コーヒーをいれた
ちいさい赤と白の包み紙
ショコラをそえて
その舌の温度で
あまくのどをながれていくころには
あたたかいものが
内蔵を駆け回り
毛布がわりに
やさしい夜に
くるまれているといいと
いいな