憎き昔話。
出張が仕事だった父親は
父兄参観とか学校行事とか
1度も来たことなくて。
そんな家庭の子もいっぱいいたけど
「子どもの為に」って
みんな仕事調整して参加してた。
そんな父親がいる子が
正直羨ましかった。
ウチは調整すらせずに
いつも「仕事だから」の一言で。
幼稚園のアルバムの
父兄参観のクラス写真には
ウチだけ母親が写ってる。
あたしが10才の時父親が思う様な
字が書けなかっただけで
首絞められて何度も何度も
テーブルに頭打ち付けられて
息出来なくなって死にかけた。
首絞められながら
「あーこのまま死ぬんだ」って思った。
中1での初めての中間テスト。
5教科全て80点以上でオールA評価。
学年順位も上から数えた方が早かった。
めっちゃ嬉しかった。
まだ慣れてない中学生活の中
部活やりながら深夜まで勉強して
寝不足でも授業に遅れたくなくて
必死に授業聞いてノート取って。
その結果が報われた気がした。
でも成績表を見た父親は
「努力が足りない」の一言。
100点取らないと努力して
勉強した事にはならないらしい。
高2そして高3。
良い担任、良いクラスメートに恵まれて
初めて学生生活が楽しいと思えた。
なのに家どころか部屋からも
出れなくなって不登校になった。
そして父親の中から
あたしの存在が消された。
19歳完全に引きこもりの初夏。
父親の親戚が初めて家に来た。
「長女は東京の医療系の
専門学校に行って
生活費も自分で稼ぎながら
立派に自立してる」
「息子はバスケの強豪高に入学して
新人戦では試合に出た」
鼻高々に話してた。
父親からは当たり前に
あたしの話は出なかった。
親戚から聞かれた時に
「あ~アレはね…」で終わり。
親戚が帰った後
「お前の存在は恥ずかしいんだから
人様の前に出るな」って言われた。
「家に居させてもらえてるだけで
有難いと思え」とも言われた。
電気を点ける事をやめた。
お風呂に入る事をやめた。
声を発する事をやめた。
食べる事をやめた。
水分を取る事をやめた。
動く事をやめた。
考える事をやめた。
生きる事をやめたかった。
繰り返して繰り返して
未遂に終わった。
気付けば20㎏以上痩せてた。
自力で動けなくなってた。
このまま消滅出来ると思った。
母親に泣かれた。
今となっては昔話。
色々あったけど強くなった。
ただ強くなり過ぎて
強さの意味を履き違えたみたい。
自分で蒔いた種であの時のあたしと
同じ立場になった父親が
なんで図々しく生きてるのか
理解出来ないから殺しそうになる。