妹は宇宙人だ。
リビングのコタツをわたしがつけておいて入っていたら、後から来てわたしの足を蹴り出して独占するように寝てしまう。
姉妹喧嘩をした。
すると、父親が「子供じゃねえんだからよおお」と切れて大声を出した。大声で相手を萎縮させて満たされる自己満男。家庭でだけでしか力を誇示できない人。
わたしはグッと我慢する。自分の部屋に行く。
「お前に何を言われても、ブーメラン。何も響かない」と言い返したら、彼は暴れて家の壁にまた穴を増やしたり、わたしに手当たり次第に物を投げつけたり、胸ぐらを掴んで怒鳴り散らして床に思い切り突き飛ばしたり、殴ったり、わたしの大切なものを壊しまくることが予想されるので、わたしも誰も彼に何も言わない。ただ居るだけの人。
自分のしていること、したことを都合よく忘れてるみたいに他人に物を言うことが可笑しくならないのか。
家を出たいと思うが、子供のときから唯一の居場所だった自部屋を妹に空け渡す気持ちになれないでいる。
わたしの居場所はここだけなんだ。ここが世界でたった1つのわたしが落ち着ける空間なのだ。
一人暮らしして、荷物を全部移したとしても、金銭面で考えて、いい部屋は借りられないだろうし、職場も実家から近い。この部屋の居心地の良さを超えられるか分からない。この小さな物置みたいな部屋がわたしの拠りどころで、全てだから。ここを手放す勇気がまだない。