僕は君の作る歌が好きだった
君は僕の歌声が好きだと言った
好き同士の歌が重なれば
最強だって君が言うから
僕は大好きな君の歌を歌ったんだ
下手くそだけど君が好きと言ってくれたこの声で
君の居るとこ
僕の居るとこ
どちらも遠くて会えなかった
それでも僕らは傍に居ると言い合って笑っていた
君が傍らに居ながら
僕の心は蝕まれていった
闇に飲まれた声はいつしか
君には届けられないくらい汚れてた
それでも君は声を聴かせてと言ってくれた
僕はまた届けたくて
何度も歌を歌ったんだ
上手くなって
強くなって
また重なる時には
この世で1番強くなれるくらいに
君は最後まで僕に歌をくれた
僕もそれに合わせて届くような歌声を返した
いつまでもこうやって
最強で在れると思ってた
でも違ったんだ
唐突に君が傍から居なくなってた
気付いた時にはもう遅くて
触れ合ってた指先も
重ね合ってた歌さえも
いつの間にか離れて
届くことすら許されなくなってた
何度も叫んだ
何度も歌った
届け届けって
声が枯れても
音が割れても
何度も君の名前
呼び続けてた
届かないって分かってても
そんなはずないって信じたくて
誰にも言わないから
誰にも言ってないから
ただうるさいって怒られた
それでも
やめられなかったんだ
君に届けたくて
歌い続けること
信じ続けることと同じように
もう良いんだ
届かなくったって
それでいい
諦めることの大事さも学ぶこともできたから
なんて、嘘だ
諦められるわけないだろ
何度だって叫んでやるよ
歌ってやるよ
離れた場所にいる
君に届けよ
すぐ消します。