分かりやすくて、単純で、底抜けに明るくて、悩み事は寝たら忘れる。を、演じている。
私はよく、「分かりやすいよね」と言われる。嬉しい時はニコニコするし、怒っている時はムスッとする。感情がすぐに顔に出るからだ。
だけど、それは私が高校に入った頃から意識的に演じているもの。素直で馬鹿なくらいの方が人に好かれることを学んだから。
本当の私はそもそも感情に起伏があまりなく、だから表情がコロコロ変わるなんてこともないし、よく言われていた言葉は「何を考えているのか分からない」。
多分、これがダメなんだなって思ったから、犬をモデルにして自分を変えた。喜怒哀楽、大げさに顔や行動に出すようにした。極端な話、プレゼントをもらったとして、今までなら心の中で静かに喜んでいたところを飛び跳ねて喜ぶようにした。
すると急に友達が増えて、異性にモテるようになった。小動物みたいで可愛い、ほうっておけない。癒される。一緒にいると幸せになれそう。
なんか、人って、簡単に黙せるんだなって思った。中身は何も変わっていないのに、1歩引いたところから見られていた私が、輪の中心でペットかのように可愛がられている。
私が欲しかったのって、こんな安い「好き」だっけなぁ。
嘘が下手そうだねって、そもそも嘘が下手そうなキャラそのものが嘘なんですけどねぇ。