子供時代を振り返って
とても感情が強い子供だった。
喜びや楽しさが溢れると、どこまでも優しく楽しくいられるようで、世界にはそんな色が溢れてるんだと信じていた。
悲しみや恐れや苦しみは、洪水が襲うように心を支配して、パニックになった。そんな世界がまた訪れることをいつもどこかで恐れていた。
やがて、優しく楽しい世界も、恐怖にひきつる世界も、私の心が作り出していることに気がつくようになった。それまでは、私にとっては本当に、感情の色がそのまま世界を表していた。
この世にあるのは感情だけではなく、普遍的で変わらない物事を扱うことで、世界は客観されてみんなのものになるということを理解するのに、本当に時間がかかった。このことがわかるまで、私にとって世界は本当に謎だった。