私は小さい頃、おばあちゃんに育ててもらった。両親が共働きだったから。
両親に迎えに来て欲しくなかった。
あの人たちはこわい。どんなタイミングで、怒り出すか分からない。涙をこぼした私を励ますことも慰めることもなく怒鳴りつける人だ。
母は空気。
おばあちゃんはずっと前に死んだ。
私が高校2年生、テストの時に。
おばあちゃんがおばあちゃんの大好きなおじいちゃんのところへ行ってしまった。
私はおばあちゃんと一緒にいたかった。
おばあちゃんがかける言葉は誰よりも暖かかった。
お母さんもお父さんも、どこか冷たい。
あの人たちとご飯を食べる。こわい。
おばあちゃんと一緒にいたかった
おばあちゃんが死んだら、あとを追って死にたかった。
自殺はおばあちゃんが悲しむから、それだけはいけないから、ぽっくりしたかった。
ずっと大きくなりたくなかった。
子供の頃、8歳の頃を続けていたかった。
おばあちゃんのあったかな手に握られて
おばあちゃんのそばにいて。
おばあちゃんは死ぬ一週間前に
私が電話した時に「誰?」と冷たい声で言ってた。ぼけちゃった。
それでもおばあちゃんが大好き。
おばあちゃんに忘れられたって否定されたって私はおばあちゃんが大好き。
あのころに、戻りたい。
これ以上大きくなったって、仕方ない
私はずっとこのおもいを親しい人にも親に打ち明けることもなく、死んでいくつもりだった。
けど、もう足がふわふわするから、背中もかるくしたいから、頭のしめつけを楽にしたいから
おばあちゃんだいすき
おばあちゃん