少し嬉しかったお話。
新型コロナのせいで、受けたい企業の面接が9月に延期になってしまって、焦りから心が荒れていた。
そんなとき、真っ昼間に友人から電話がかかってきた。
「今、第一志望の企業の面接を受けたら即日採用された」
って電話だった。
面接が終わった直後にかけてきたらしい。
その場は「えー良かったじゃん!」とか「おめでとう!」とか声をかけたんだけど、内心まったく穏やかじゃなかった。
正直、嫌がらせか、このやろう、と思った。
こっちは焦ってるのにマウントかよ、って。
電話切ってしばらくは、むしゃくしゃした気持ちが晴れなかったけど、音楽聞いたりしてなんとか心を落ち着けた。
そしたら逆にネガティブになって、私なんかが企業に受かるわけが…って思考におちいって、それはそれで大変だった。
とにかく心が、乱れに乱れまくった。
今日はあれから数日経って、ようやく心が平常に戻ってきた。
それで、思い出した。
あの電話で「誰に最初に伝えようか悩んで、君にかけた」って言ってたこと。
親でも、他の友人でもなく、誰でもなく私に電話してくれたこと。
嬉しかった。
相手にとってみれば、話を聞いてくれれば誰でも良かったのかもしれないけど、私を選んでくれたことが嬉しかった。
ほわほわとする。
ほわほわ、ほわほわ。
きっと、こんな気持ちで最期を迎えられたら幸せなんだろうなぁって思うくらい。
それくらい嬉しかった。
今はなんだか、嬉しすぎて泣きそう。
だから、これは嬉しかったお話。
私の、少し嬉しかったお話。