体育祭でみんな才能発揮してるのに自分は何もできないのが辛い。
衣装チーフの子は、可愛い衣装を考えてお洒落なミサンガを作ってすごく複雑な団長衣装を短い期間で作りながら自分の衣装も作ってる。しかもずっと嫌な顔一つせず、周りの子が衣装作りに困ってたら代わりにやってくれたりする。さらに幹部ダンスっていう難しいダンスも踊ってる。しかも体育祭の約1週間前にあった文化祭の劇では主役をやってた。
なんか羨ましくて羨ましくて仕方ない。
性格がすごく良い子だから周りにも人が多いし、妬ましくも思わない。ただひたすら自分の無力さを感じる。こんな子になりたかったって最近何度も思った。
ダンスチーフの子は、クラスに一人しかダンス部がいないから曲編集からダンス・ダンスの構成を考えるのまで全部一人でやってくれてた。優しい人で、指導者の自分は日向で暑い場所に立ってしんどいのに、私たち教えてもらう側は日陰で踊りやすいようにって考えてくれる。教えるのも上手で何度やっても踊れない私にわざわざ隣で教えてくれた。競技練で大縄の練習をしている時は、跳べない子の隣にいって肩を持って一緒に跳んであげてた。かっこいいことをスムーズにできるダンスチーフが羨ましい。私もそんな風にかっこよくなりたい。
団旗を作るリーダーの子も優しくていつも笑顔でみんなの案を上手にまとめてくれた。
私が失敗して塗ったところを上手に隠してくれて、私には「結果オーライ」って可愛い笑顔で言ってくれた。その子は話を聞くのも話すのも上手で放課後の団旗作りの時間は本当に楽しかった。こんな風にに周りを明るくできる団旗のリーダーの子が大好きで羨ましい。周りを幸せにできるって幸せだなって心から羨ましい。
文化祭でも文化委員の子が睡眠時間削って頑張ってる姿にすごいなって思った。ただその文化委員が好きじゃない子だったからすごく妬んだ。そんな自分が嫌になる。
体育祭なんか私は邪魔しかしてなかった。
衣装のひとつのカチューシャは衣装チーフの子が作ってくれたし、ダンスは何度も失敗ばかり、団旗は下手で修正してもらって…。
なんで?うちもみんなの役に立ちたい。どうして迷惑かけなきゃならんの?
変わりたい。こんな自分大っ嫌い。