私の家族に重度の知的障害が1人いる。弟である。知らない人の為に重度の知的がどんなものかとざっくばらんに言うとまぁ、体は大人の赤ん坊である

私の家族に重度の知的障害が1人いる。
弟である。

知らない人の為に重度の知的がどんなものかとざっくばらんに言うとまぁ、体は大人の赤ん坊である。
多少身内びいきはあるがパニックも抑えられるし、いう事はきく、慣れてないとうるさいだろうが私が幼い時からずっと一緒にいるので私はもうこの弟がそばにいたので弟がいない生活というものが分からない。
それ位普通のことである。

そしてそんな私と共に弟を育てたのは母である。
ちなみに父は私が幼い時に他界している。
両親ともに尊敬しているし、多少ぶつかりはするが私は自分の家族をそれなりに愛している。
長いがここまでが前提。

成人してからと書いたが私はそろそろ結婚を考える年齢でもある。
その時に結構長い間友人として付き合ってきた男性に告白され交際を始めた。
私はどちからというと一人の時間が必要なタイプで、交際を始めたからと言ってもそこそこの距離感で結構長い間穏やかに彼と共に時間を過ごした。
漠然と「この人と結婚するのかな」と思った。正直現実感は全くないが不快ではなかった。
結婚しなくても「ま、それはそれで生き方よな。」という感じであった。

ある日、その彼と二人で出かけた日のことであった。
電車に乗っていた時「どこに行くの?」と知らない女の子に尋ねられた。
ふと顔を向けると、彼女はダウン症なんだろうなと察した。(ダウン症は確か骨の発達のせいで顔にでるんだったかな)
お母さんかおばあさんか分からないが付き添っていた女性が「すみません」と口パクで頭を下げた。
「この人(彼)と映画を観に行くんですよ。」等と簡単に会話をして私は電車を降りた。降り際にその女の子は「行ってらっしゃーい」と手を振ったので私も手を振って別れた。
降りてからずっと黙っていた彼は口を開いた「気持ち悪かったね。大丈夫?」
思わず私は半笑いで(確か半笑いしてた、何故笑っていたのか自分でも分からない笑うしかなかったのかな)「へぇ?何でよｗｗｗｗ」と改札に向かって歩き始めた。
「知らない人から、ましてやあの顔じゃんｗｗｗｗｗお前会話好きなタイプじゃないしきつかったんとちゃう?ｗｗｗｗ」一言一句覚えていた辺り私もまだこの言葉に怒りを覚えていたとみる。プッツン来たというよりサァっと貧血や立ちくらみに近い何かが起こった。
改札に向かっていた足は再び階段を登った。「え、何、どうした？」のような事を言いながら私についてきたその人にカラカラの私の口から出たのは「私の家族も気持ち悪いか？」という一言だった。
そこでようやく慌ててたように思うから自分の失言に気付いたんだろうなと思う。
「いやだって、弟君は普通に見えるじゃん。」確かに弟はダウン症ではないので顔だけなら健常者である。
「ごめん、無理。私にはあんたが気持ち悪い。」と言って帰った。

帰ってからは母親が「友達と遊んでくるんじゃなかったの？」と驚くし、私は私で中止になったと言って昼ごはんを家で泣きながら食べ始めるし、弟は弟で能天気にテレビ観てるし。
母親は何もきかなかったけど私の好物をちょっと多めにしてくれた。ご飯が美味しかったので彼に「理不尽かもしれないけど別れて下さい。さよなら。」とラインを送った。

私も弟以外の障害者を怖いなと思う時がある。家族が年老いて制御しきれていなかったり、ろくなしつけをされず育って来たりしている場合もあるからだ。彼の言葉に理解はまぁ、できる。

でも、それとこれは別。くっそ腹立つ。今思い出しても腹が立つ。
共通の友人(これまた長年過ごしただけあって多いんだ)が「何で別れたの！？」と通知がくるくる。
「君を気遣っての言葉なんだから怒る理由がない。」とまで言われている。

彼らには言えないし、言った所でというような感じなのでここでぶちまけさせてもらう。
気遣い方が斜め上すぎんか！？そもそもそういう気を遣うなら話しかけられてる時点で動け！？
ナンパ男からだったらそ～りゃありがたいなとは思うわ見直したわ！！
そもそも余所の娘さんの容姿について、他者にディスるという感覚を持ち合わせてる奴であり、障害者を下に見たうえでそれを発言しちゃうのも無理。
「君の家族のことを理解してくれる人なんて彼だけだと思うよ。もうこんな人現れないよ。」知らんがな。勝手に決めんでくれ。後お前は理解してくれてなかったんか逆に。ええけど。

私は確かに片親で、障害者付きの長子である。はたからみたら不良債権だろう。もしも結婚することがあったら相手の両親に反対されても仕方がないなとも思う。
でも母からは「私が死んだら弟は施設に入れる手配はしておくから重荷に思わなくていい、面会だけはしてあげて欲しい。」と言われている。
それにも私は結婚しなくたっていい。強がりかもしれないし、一人でいるには寂しいとも思う。
でも、彼とはもう過ごせないなと思った。それだけである。

好き勝手書いたが、私も私でめちゃくちゃ理不尽なような気もするので伝えないけど謝っておく。
ごめんなさいね。私は根に持つタイプだから君も酷い奴と付き合ってしまったと根に持っていいよ。