逃げるという行為。｢逃げ｣ということばにネガティブなイメージを与えるの、やめませんか。｢逃げ｣はあくまで｢逃げ｣です、そこにポジティブもネガティブもなくて

｢逃げ｣ということばにネガティブなイメージを与えるの、やめませんか。
｢逃げ｣はあくまで｢逃げ｣です、そこにポジティブもネガティブもなくて、ただ行為の名前としてついてるだけです。
｢歩く｣にネガティブなイメージ、もしくはポジティブなイメージを与えますか。右折・左折に対してなにか感情を抱きますか。

｢逃げる｣コマンドがないゲーム、やりたいですか。全敵ひとくいばこのような仕様ってどんな縛りプレイですか。

いえ、ゲームなら仲間と戦ったり、仲間がいなくてもサポートを借りたり、教会で全財産の半分をとられながらも生き返らせてもらえます。

実際は蘇生術なんかないし、仲間や友達といえども同じ痛みは味わえない、仲間がいない場合にサポートを借りるなど出来ないじゃないですか。

ひとには得手不得手がありますから、仲間がいないのをどうして責められましょうか。

それに、自分のステータスなんて分からないじゃないですか。
HPは表示されないし、｢つよさ｣も数値化されていない。身体のサインやこころのサインを感じとることでしか自分を生かせない。
他人に｢そんなことで｣なんて言う資格、ないです。あなたは私じゃないし、私はあなたじゃない。彼でも彼女でもあのひとでもない。

無傷なのに逃げちゃうこともあったっていいです、無傷なように見えてきっとどこかは傷ついていますし、それが軽傷であっても感じた違和感を放っておくよりいいんじゃないかな、と思います。ここはひとそれぞれではありますが。

縛りプレイを楽しむひとはそれはそれでいいと思います、上級者にはそっちのほうがいいでしょうし、それで死んでも後悔はしないんだと思います。

でもひとに強要することではないです、強要されたひとはそれで死んだらきっと後悔します。強要したほうは、特になんとも思わないんでしょうけど。

好きなタイミングで休憩したり宿屋に行ったり薬草食べたり遊んだりしながらゆっくり過ごしたいひともいるでしょう。そういうひとたちに、｢おかしいのはそれを許容しない世の中のほうだよ｣って言いたいです。……たとえそれが真実でなかったとしても、私はそれを信じてるし、そのひとがそれを信じた方が楽になれるならそうしてほしいです。

ゆるやかな丘を歩いて、ブランコに乗って、草むらに寝転がりながらひなたぼっこしても死ぬときに後悔しないひとだっていると思います。
明日死んでも後悔しないって言えるならいいじゃないですか。

これは、生きるひとに向けての言葉です。生きるひと、生きざるを得ないひと、死ねないひと、いっぱいいると思います。少しでも届いたらいいな。

最後に、死にたがりさんへ。
辛くて苦しくて、何度涙を流したでしょう、何度目を潤ませずにこころのなかで泣いたでしょう。
死ぬときは、成功したひとはもちろん、失敗したひとの話も調べてください。失敗して、こうなるってなんで知らなかったんだろう、調べなかったんだろうってならないように。
怖いことが書いてあると思います、それでもなお死ぬならどうか素敵な最期を。
震えて死ねないってなったら、差し伸べられた手を探してください。きっとあります。そんな気力がなければ、回復するまでおやすみなさい。焦らなければならないことなんて、なにひとつないと思います。嫌なことに｢うるせぇばーか｣って変顔してやりましょう。どうか素敵な明日が訪れますように。