(ホタルは偽名です)
教室に行くと、孤独感が溢れてくる。
周りで楽しそうに話すクラスメイト。
きっと、僕を特別に思ってくれてる人は、
この中には居ないんじゃないかなって。
皆、ホタルちゃん頭良いねって。
ホタルちゃん絵上手だねって。
それだけ。褒めて、笑ってくれるだけ。
それからは何も無いの。本当に。なんにも無い。
なにか特別仲良くなってくれる訳でも無いし、
物凄く嫌ってくれる訳でも無い。
面白くないから、友達にはなってくれない。
テストの点数が良いのは、授業聞いてりゃ皆出来る。
絵が上手いのは、好きだから練習した。練習すれば皆出来る。
僕が出来る事は、ありきたりな事ばっかり。
ありきたりな僕とは違って、才能がある子は沢山いる。
自分がどんどん何もない様に見えてきて。
取り柄も、特技も、何も無い。
才能なんて、
生まれる時にどれだけ両腕に抱えられて、
どれだけそれを飼い慣らせるかで決まる。
ぼくは、沢山持ってきたソレの世話を途中で投げ出した。
だから、現状がこうよ。
何もかもが中途半端に出来て、
何もかもが中途半端に出来ない。
何か一つでも、最後まで世話したかったなぁ。