先日、ある戦前の天才落語家(以下「K」とします)についての評伝を、図書館で借りて読みましたが、
Kの元妻と子の負わされた不幸が、あまりに壮絶で、地獄というべきもので、私は読んでいて、心がえぐられ、削られました。
Kは富豪の後家(以下「J」とします)に横恋慕されたことで、長いこと陰に陽に支えてくれた糟糠の妻(以下「T」とします)と娘を捨てました。
JはKを略奪する少し前、Tと幼い娘のいる家に上がり込み、幼い娘が恐怖で怯えるだろう事も構わず、怒鳴り散らし騒ぎ立てました。
Jは容貌が美しく、着ている物も高価で優雅なものだったそうですが、行った事はあまりにも残酷で暴力的です。
そして、Jは彼女の意を受けた人間達も巻き込んで、Tに有形無形の迫害をし、孤立に追いやります。
名家の後家としての地位と財力をカサに着た、鼻持ちならない傲岸で驕慢な態度で、略奪相手の家庭を破壊し、元妻と子を地獄に追い込んだJに、ものすごい嫌悪感が湧きました。
そしてその後も度々起こった、JのTへのいじめや嫌がらせを黙認して許し、
また、自分が捨てたにもかかわらず、Tの二番目の夫が亡くなったら、Tを妾(愛人)にしようとし、Tに莫大な損害を負わせてまで、利益を搾取するような事までしたKも、最低で、最悪だと思いました。
昔の芸人が破天荒なのは分かりますが、金持ちの新しい妻に転んで、支えてくれた元妻と幼い子を捨てるのとか、
JとKの、Tへの仕打ちがもう残酷かつ心無さ過ぎ、私にはあまりにも気分と胸糞が悪くて、ああ無理だ…ってなった。
JとKが、先日報道された、自分達の子を虐待し、泣き叫ぶ様子を動画に撮っていた夫婦と同じ位、酷いと思いました。
Kはまた、自分が捨てた娘に度々会いたがり、娘の仏の如き優しさに甘え、また後年Kが大病をした時、娘の優しさからの看病と輸血を断らなかった事に、
KはTと娘に、彼らの不幸に見合うか、それ以上の償いも埋め合わせもする事は無かったのにと思い、後味が悪く釈然としませんでした。
糟糠の妻と娘を捨ててまで、芸の道を行くのなら、いっその事悪人の十字架を死ぬまで背負え、
中途半端に捨てた妻を利用したり、自分の勝手で捨てた子どもと中途半端に関わろうとするな、
子どもの心に傷を負わせた上に、都合良くエゴを満たす道具にするな、振り回すなと思った。
そしてKとJの周りの人間達まで、Tに対し、心無い金銭の無心や、いじめを行ってきました。当時KとJのいた界隈は、腐り果てていて、劣悪だと感じました。
近年大津や旭川で起きた、酷いいじめのために、また周囲の責任ある大人が見捨てたために、罪の無い生徒が死に追いやられた事件と、Tが重なり、涙が出そうでした。
天才芸人とはいえ、糟糠の妻を捨て、その上尊厳を踏みにじり、金満家の新しい妻の、元妻への胸糞悪いいじめを黙認するような最低な人物を
称賛し持ち上げるような、こんな世の中だから、残忍ないじめ加害者達も増長し、のさばり返るんじゃないか?と思いました。
後に放埓な浪費生活がたたり、困窮に陥ったKとJに、Tは援助をしてやりますが、
KとJが散々酷い目に合わせたTの援助を断らなかった事を知ると、KとJが美しい夫婦愛の主人公達ではなく、鬼のように残酷で邪悪な外道達だと思いました。
この二人は、Tと娘から、本当ならどれだけ残酷な復讐をされても文句が言えないのに、援助し、また看病してくれた天使のような思いやりと厚意に、どれだけ感謝しても足りないでしょう。
今は亡きある女性作家(以下T´とします)はフェミニスト寄りだったのに、自身のあるエッセイでは、
献身してくれた妻と娘を捨てたKを「女という女にはみんなやさしかった」などと書き、
また財力と地位をカサに着て、Jが略奪したKの元妻と子の幸せを破壊し、Kの元妻を散々いじめた残忍な事実をぼかし、
Jが<笑って死んでいったような気がする>という意味の事を書いて、ロマン物語のヒロインみたいに書くなんて、
”こんな詐欺同然の、誤魔化した書き方あるかよ”と思いました。
更に有り得ないと思ったのは、Kの元妻のTの事を
「やりてで、しっかりものの女には、かえって男運はわるい、というのはTの場合、ほんとうらしく思われる。」と書いていた事で、
(いやいや、Tが不幸になったのは、Tのそれらの資質が原因じゃなくて、KやJ、そして周りの人間の心無い、酷い仕打ちのせいだろ!?
何なんだ、その、いじめられた被害者にも問題があるとか、詐欺の被害者に、隙があったから、舐められたからだ(これらは私が言われた事です)等と二次加害みたいな事を言って、
被害者側の”落ち度”を無理矢理にでも、ほじくり出そうとするような理屈付けは?)と思いました。
そしてそのエッセイの中で、Kは楽しい人で、Kがいる時、彼の周囲の人々は、笑いがよく起こった、という意味の証言が紹介されていたけれど
”いじめ加害者にだって、コミュニケーションに長けていて、魅力的に目立つ存在で、周りの人間達を楽しませ魅了するのが、とても上手な人間がよくいるものな”と、苦渋に満ちた思いを持ってしまいました。
T´の作品は若い頃よく読んでいて、以前割と好きでしたが、上記の事があってからは、裏切られたという怒りが込み上げたし、大きな軽蔑さえ覚えます。
今回の事は、トラウマになる程の衝撃でしたが、自分の好きだった作家の本質が分かって、心中で訣別出来て、良かったです。
もう来年は2022年だし、上記のような、残酷で外道と言うべき人間達がのさばるような世の中は、変わって欲しいです。
ここまで読んで下さって、有難うございました。
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お返事有難うございます!
>その本の発行年いつ?
多分、40年位前だったと思います。
>多分、今ならこの内容で発行できないと思う。
おっしゃる通りだと思います。今なら非難と怒りで、総スカンの的になりそうです。
そうですね、人の世は、あまり変わっていないようのが、もどかしいですね…
>0.3%が非道だとしても、人数で考えたら相当。
先程地球上の総人口に0.3%を掛けて計算してみたら、
一都市の人口と同じ位の人数が算出され、驚きました。
>「残酷で外道と言うべき人間達がのさばるような世の中は、変わって欲しい」私もそう思う。
共感して下さり有難うございます。
私も身近にヤバい人間がいたら、出来れば他の人と協力して、止めたいです
ななしさん
その本の発行年いつ?
多分、30年くらい前じゃない?
多分、今ならこの内容で発行できないと思う。
5年でだいぶ変わっていると思います。
でも変わっているようで変わっていないよね。いじめはあるし。内戦やテロではなく、国が他国と戦争しちゃうし。
人間の人口も増えているから、非道な人の率は下げないと。0.3%が非道だとしても、人数で考えたら相当。
「残酷で外道と言うべき人間達がのさばるような世の中は、変わって欲しい」私もそう思う。
どうか、それぞれが身近なヤバい人を止めれますように。
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