以下、根拠がないからこそ、
ずっと消えない思い込み一覧。
わたしは頭が悪い。
わたしには何の才能もない。
わたしは思い上がっている。
わたしは調子に乗っている。
わたしは差別主義者である。
わたしは加害者である。
わたしは加害者であるという自覚がない。
わたしは被害者づらをしている。
わたしは気を惹きたがっている。
わたしは病気だ。
わたしはメンヘラだ。
わたしは根暗だ。
わたしは偉そうだ。
わたしは頭がおかしい。
わたしには何の魅力もない。
わたしは気持ちが悪い。
わたしには愛される権利がない。
わたしは他人を愛せない。
わたしの存在はおぞましい。
わたしは生きていてはいけない。
わたしは許されない罪のある存在だ。
わたしは死ぬべきだ。
わたしには罰が足りない。
わたしは甘やかされて育った。
わたしは忍耐力がない。
わたしはわがままだ。
わたしは我慢して空気を読む。
わたしは自己主張をしない。
わたしは自分を曲げない。
わたしはのろまだ。
わたしは他人を焦らせる。
わたしは父にそっくりだ。
わたしは父に似ていない。
わたしは母にそっくりだ。
わたしは母に似ていない。
わたしは残虐で、他人のことを考えない。
わたしは他人のことを考えすぎる。
ある物や人がそう見えることと、
実際そうであることの違いが
わからない人がいる。
彼らは悪意なく、
見たままを口に出し、
それが事実であると疑わない。
疑うという選択肢を持たない。
彼らにとってそれが円に見えたのなら、
彼らにとってそれは円であり、
すべての人はそれを円と認識するものであり、
円と認識しない人間は攻撃されるべき存在になる。
わたしが「正方形に見える」
と言ったとたん、
嘲笑と罵倒が飛んでくる。
“この嘘つき！
またかまってちゃんかよ。
頭おかしいんじゃないの？
はいはい厨二病。
注目を集められてよかったね。
え？円柱？
しょうがないじゃない分からなかったんだから。
何？私が悪いの？
ああまたそれだ。被害者面。
偉そうにしてんじゃないよ。
いつも自分が正しいって顔するよね。
少しは反省したらどうなの？
言葉を口に出す前によく考えた方がいいよ？”
しかし、これらは瑣末なことだ。
彼らは自己認識の外に出ることができない、
というだけのこと。
彼らにとってわたしは、
上に上げたすべての特徴を
矛盾なく網羅する存在だ。
あくまでも、彼らにとって。
…というよりも、
条件反射的な認識しかできない、
と言ったほうがいいかもしれない。
彼らはたまたま近くにあった石を
その内容も意味も吟味できずに
投げつけているだけだ。
動物園のサルも、
檻の中から同じことをする。
問題は、
わたしの自己認識が
滅茶苦茶になっている、
ということである。
わたしは自分が見たものも感じたものも
すべて信じられない。
感覚が、頭で理解するより前に
文字化けしてしまうイメージ。
ホラーによくある、
今まで当たり前と思っていたものが
全く違うものに感じられる異常。
もちろん、おかしいのはわたしの認識だ。
だから、わたしは、
自分が何を考えるにも、
何を感じるにも、
何をするにも話すにも、
いちいち立ち止まって考えないといけない。
主体性など持てない。
持った瞬間に化け物になる。
そもそもわたしとはなんなんだ。
わたしはどこにいるんだ。
この体はだれなんだ。
わたしはどうして泣いているんだ。
こんなことを一日中やっている。
寝ている間にもやっている。
意識より先に反省している。
反省、反省、反省、反省、
わたしが悪いのか悪くないのか。
朝からぐったりしてしまって、
何もできない。
仕事がしたいなんて贅沢。
せめて家事がしたいのだけれど。
正当性などなくていいのにね。
見たまま感じたままを感じていいのに。
わたしは差別を望まない、
けれど、すべての人間の言葉、
額面通りの言葉を、
わたしが平等に受け取るべきだとは思わない。
すべての人に平等に優しくすべきだとも思わない。
そんなことできる人間はいない。
だから、
わたしの人生から出ていってくれ。
このままでは生きていけない。
許せないし、許さない。
それが不可抗力であろうと、
誰も悪くなくても、
わたしの傷はなくならない。
本当はここに書けないようなことを
何度やっても飽き足らないと思うけれど、
そんなことしても傷は癒えない。
だからしない。
出て行け。
それでいいでしょう、
あなたは何も悪くなくて、
全部わたしが悪いことになっているのだから。
遠くで愚痴っていればいい。
自分が何をやったのか、
永遠に理解できないまま。
