好きだった先輩の夢をみた。
先輩は僕を取り扱い易くするため僕に好意があるフリをした。
僕が同性愛者でもあると知って弱みに漬け込んだ。
信じ込んだ僕は淡く恋をした。
許せない。今も許せない。
そんな話があってからもう1年くらい経つのに本当は許せていない。
皆には吹っ切れたねとか、あの頃は勉強になっただろうねなんて言われるけど本当は昨日のことのように覚えている。
夢にみるくらい。
先輩、僕はね、あなたが僕に気があったから好きなんじゃなくてあなたがそういう卑怯な手を使う弱い人だということを知っていて好きだったんです。
自信を持って欲しいくらい実力はあるのに、本当は弱いところが大好きだったんです。
認めたくなかったよ、ただ騙されただけだってあなたのせいにしておきたかった。
でももう分かってしまった、絶対に声が届かない場所まで離れてからこの気持ちの蓋を開けた。
先輩!幸せに生きてくださいね。
夢の中でのあなたはいつも少し都合がよくて、やっぱり思わせぶりで、僕はそれに怒るんだけど、それでもそばにいてくれるんだなんて夢物語だね。
僕は先輩の右腕になれればそれでよかったんだ。
あわよくばなんて本当に狙っていなかったんだよ。
あなたが誰とくっつこうと、離れようと、またですかなんて笑うのが僕の夢だったんだよ。
一番の親友になりたかったんだよ。
今更言えないけどね。
また夢で会えますように