僕はある名前のない小瓶に、アカウント外のななしさんとしてお返事をした事がある。しばらくして、そのお返事に対して、小瓶主さんからお返事が来ていた。
それに僕は凄く驚いてしまった。
なんていうか、小瓶主さんは絶対お返事のお返事を書かなそうなタイプだと思ったからだ。
僕が返事を書いたのは、多分大人の男の人が書いた名前のない小瓶で、身体も悪いし人生報われないし、早く死にたい的な内容を、ちょっと荒い言葉で綴った小瓶。
言い方が悪いかも知れないけど、荒い言葉の小瓶ってちょっと怖いからか、あまりお返事がもらえない事が多い気がする。
あと、小瓶主さんの気に入らない返事だった場合、気分を害したってお返事のお返事が書かれる場合もある。
一見そんな感じのタイプの人の小瓶っぽくて、いつもは怒られたくないからあまりそういう小瓶に返事はしないんだけど、なんとなく気になって、その小瓶にはお返事を書いたんだ。
名前のない小瓶の人は、名前有りでお返事すると嫌がる方もいるから、ななしでお返事した。あと、何か気に入らない言葉を使ってしまって怒らせてしまって、怨みを買ってしまうのがちょっと怖かったってのもあって。
ただ、考えてもなんか上手いこと言えなくて、ざっくり言ったら身体を大事にしてください的な、普通の短い4行ぐらいの文章を書いた。
我ながら凄くありきたりな言葉だった。でも僕みたいなガキがなんか上手いこと言おうとしても逆に怒らせてしまうかも知れないし、嘘が無く思った事だけ書こうと思ったら、そうなってしまったんだ。
正直、怒られないといいな、ぐらいの気持ちでお返事を流した。
そしたら、お返事のお返事をもらった。
小瓶に返事をもらえて、すごく嬉しかったという事、初めてのお返事で少し前向きになれたというような内容が、とても素直に綴られていた。
形ばかりの感謝じゃなくて、本当の小瓶主さんの感謝の気持ちが、とてもストレートに伝わってきた。
それに僕はとても驚いた。
そして後悔した。
ああ、そんなに喜んでくれるのなら、もっといい言葉、素敵な言葉を沢山書けばよかった!もっと優しい言葉なんていくらでもあるのに!あんな簡素な文章じゃなくて、もっと考えて言葉を尽くす事も出来たはずなのに!
結局僕も偏見があったんだ。
荒い言葉を使うから、ちょっと怖い人なんだろうと。感謝とかしないで、むしろ怒ってばかりのタイプなんだろうと。
そんな人には、どうせ僕の返事は、数の足しになるぐらいで、相手にされないだろうなと、勝手に思っていたんだ。
反省した。
小瓶主さんは、小瓶の言葉は一見怖くても、お返事のお返事で、とてもいい人に思えた。
本当はとても優しい人なんだろう。
簡素な言葉から、僕の勝手な気遣いの気持ちを拾って感謝までしてくれたんだから。
小瓶は辛い気持ちを吐き出す人が多い。でも、それは多分その人の沢山あるパーソナリティの一面でしかないんだ。
僕はそのお返事のお返事が、なんか凄く嬉しかった。
僕は宛メのいい所のひとつは、こんな世の中だって、誰かの事を優しく考えてくれるいい人って実在するんだなって思えて、安心できる所だと思うんだ。
それは、辛さを並べて吐露した小瓶よりも、それを拾って相手を想って書かれたお返事から、感じる事が多い。(当たり前かも知れないけど)
僕は小瓶では感じられなかった小瓶主さんの優しい一面を、お返事のお返事で感じる事ができたのが、とても嬉しかった。心がほっこりしたし、だから小瓶主さんの幸せを、もっと心からより強く願いたくなった。
自分が偏見を持っていた事が気まずいし申し訳なくて、直接は言えないので、この小瓶で言わせてもらおうと思います。
小瓶主さん、お返事のお返事をありがとうございました。小瓶主さんの優しい部分が、もっと人に伝わって、報われるといいなと思います。
ここまで読んでくれた方も、ありがとうございました。
2023/10/22