時折ぼくは、古びた感情にてをのばす
ただなんとなく日常がそれそのものであることが、
目を閉じて開けるたびに少しずつ変化するくせに本質だけは変わらないことが、
たまらなく嫌だった頃
実際なににも縛られては居なくて、それがどうしようもなく億劫で面倒で辛酸をあじわった
とはいえ人間は都合が良いいきものだ
つらいことがないのならつくってしまえばいい
ということでじぶんでじぶんをくくりつけた
過去の自分
それだけじゃもう効果はないから、そういったひとたちの綴る文章を読んでよんでよんで
そのうちふっと気付いて
15のこころで何かを手に取ろうと上を見上げる
あのころとおなじ綺麗なままの机に目が行く
知らない参考書がならんでいる
もくひょう、がならんでいる
げんじつにひきもどされる
わたしは結局この3年間、なにもかわらなかった
過去に浸って今にすぐ引き戻されたって、ただ未来にタイムリープしてきたようなそんな感覚でしかない
だから、あの頃のぼくが拠り所に立てた、もくひょう、なんか全然上の方にあるままだ
ごめんね
古くなって凝り固まって、でも美化された感情
見よう見まねだけで錆びさせた金属
あれほど入念に固めて自分に課した規則なんてもうなにも残ってはいない
なにがしたかったのかもよく解らない
解らないままだ、なにも。
ただ、わたしは、ぼく、僕は、救ってほしかったんだよなきっと
大人になったら全部解決できるようになると思ってたんだよな
ぜんぜんそんなことなかった
だって心が変わらない、変わってくれない
ただの自重が外れただけの僕だ
ひざしがあたたかくて初めて目を覚ましたのが午後だった日を思い出す
本当の昨日よりも、その日の方が昨日に近い
時空が歪んでるの
世界が追いつくまでもう少し立ち止まっていたい
そんな暇はない
という感覚も15のままで、客観的には今の方が数段時間がないはずなのだけれど
ふみちがえちゃったかなあ
このどうしようもない感情リープのメリットなんてひとつだけ、
ただなにかを過去から託されたきぶんになってほんの少し努力できるようになる
ただそれだけだ
それだけがずっと捨てられないからだ
3年間いろんなものを捨ててきた、信条も、世間体も、継続も、
でも過去の未来に縋ってた僕のことだけどうしても捨てられずにいる
心底どうしようもないね
でもそのどうしようもなさだけで今日も息を吸ってる
生きてられる