私は噓をつくのが得意だ。
毎日嘘をつく。
何時しか、嘘だと思わなくなった。
大丈夫?
「大丈夫。」
辛いんじゃない?
「大丈夫。」
しんどくない?
「大丈夫。」
必要なのは、笑顔の仮面と「大丈夫。」の一言と、自分を操る糸と心の中に作る小さな箱だけ。
箱の中に喚く自分を押し込めて。笑顔の仮面をかぶり、「大丈夫。」といえばだれも疑うことはない。
「大丈夫。」は便利な言葉だ。
簡単にひとを騙すことができる。
そう。
自分もを騙すことのできる便利な言葉。
でも、箱の中に入った自分はいつまでも暴れて、箱に亀裂を入れてしまう。
仮面にも亀裂が入った。
ああ、糸も切れた。
足が思うように動かない。
手がしびれて動かない。
切れて絡まった糸は、心を絞めつけて、切り裂いてしまった。
でも。
大丈夫だけは壊れない。
壊れた機械が同じ言葉を繰り返すように。
沁みついた言葉は滞りなく流れてゆく。
本当のことを言おう。
『大丈夫じゃない』
本当に言えたらな、笑