信頼した人たちから裏切られて、
ああ、私はこの世界にいらない、邪魔な存在なんだな
って気づいて、
もうムリだ、それならもうこれ以上生きてるのやめよう
って思って、
学校から家に帰らず、駅へ歩いた。
今すぐに死ぬ方法として思いついたのが
線路への飛び込みだった。
駅へついて改札を通り、
ホームにたどり着いた。
一本目、ボーっと眺めるうちに走り去っていった。
二本目、今度こそ飛び込もうと思っていたが、
電車が見えてきたとき、
周囲にいた人たちが目に入った。
スマホをいじる人、本を読む人、
高校生、会社員、高齢者…
いろんな人がいた。
そしてその人たちの共通点は、電車を待っているということ。
私がここで飛び込めば、この人たちみんなに迷惑をかけるんだ、
と思うと飛び込めなかった。
気がつくと、電車の中に立っていた。
遺書を書き始めた。
それまでの人生のつらかったこと、そして少しの嬉しかったことなんかを紙に書いた。
書き終えたら、やっぱ帰るしかないよな
って思って、元の駅へ戻った。
自殺したらあの人は物凄い責任感じて、人生狂っちゃうんじゃないか
とかも思ってた。
帰り道で知り合いに鉢合わせた。
『なんかあった?大丈夫?』
何も答えられなかった。
涙が溢れていた。
気にかけてくれる人がいるって知って、
もうちょっと生きてみてもいいかな
って思った。
あれから1年ほど経った今、
私は生きています。
あの後もつらいことは沢山あったけど、
それでも嬉しいことはあって、
そっちに焦点を合わせてみると世界が違ってみえるようになった。
あのとき書いた遺書はもう切り刻んで捨てました。
何時間かけて書いたんだ!とも思うけど、
これからも悩んだときに、心を落ち着けるために
遺書を書こうかな。
あのとき死ななくて良かった
とは言い切れないし、生きていたいとも思えないけれど、
とりあえず生きています。