ここで何度か、『どうぶつのおともだち』の話をしたことがある
あえて、何の動物だったかとか、名前を決して書かないのは、私にとってその子は、それくらい『大切』な存在だったからだ
…誰にも教えたくないほど大好きだった、私の『おともだち』
その子は残念ながら、もうすでに天使となっていて、私は生きている限り、2度とその子と会うことはないけれど……
毎年ゴールデンウィーク近くになると、本格的な庭の手入れをし始め、そこに眠る『おともだち』へ捧げる花を何種類か植えるのが、私の恒例行事となっている
最初に植えた多年草が年々増えているため、別に新しく植えなくてもいいのだが、なんとなく習慣となってしまっているし、一年草には一年草の魅力があるため、今年もそうする予定だ
………苦い薬に、痛い注射
嫌だったよね
闘病生活はさほど長くはなかったけれど
最後の、あの瞬間は
苦しかったよね
ふっと目から光が消えた瞬間
おともだちの目からは涙がこぼれていた
ごめんね
あなたはとても良い子だったのに
私はなにもしてあげられなくて
本当にごめんね
でも、本当に本当に大好きだったよ
元気な頃はいつも玄関までお迎えに来てくれたよね
家にきてくれて、ありがとう
この世に生まれてきてくれて、ありがとう
どうか天国では、元気にお花畑をお散歩してね
………あれから、かれこれ数年たった
あの子が眠る庭には、それまでは生えてなかったのに、一緒に埋めたお気に入りのオモチャにそっくりな植物が、なぜかたくさん出てくるようになった
青空のもと
風が吹けばゆらゆらと揺れ動くそれを見て私は
『あの子がきっと、じゃれて遊んでるのだな』と、どこか寂しいながらも、ちょっぴり嬉しい気持ちになるのだった
☀️🌾🐇