消えたい。
誰にも知られずに死にたい。
死ねたら、死ねたらと何度声をあげたか。
それでも終わることが怖い。
おれみたいな主人公候補にすらなれない朽木が、今日ものうのうと生きてる代わりに、
頑張ってる人たちばかりが辛い思いをしてる。
そんな世界は、やっぱりおかしい。
ならいっそ、おれが死んで誰かが幸せになった方がよっぽど良い。
死んだら保険が降りるだろうし、親にとってはおれより金の方が嬉しい。
家計も助かるし、おれに関わってくれてる人も変に気を遣わなくて良い。
おれが生きてても何も良いことないじゃん。
自分がもはや笑えてくるまである。
死ぬ覚悟はできてるのに、何か突っかかって死にきれない。
死にたい。消えたい。死ねない。消えれない。
何もかもが嫌で、何もかもが怖くて、勝手に期待して、そして失望する。
期待するだけ無駄だって、わかってるのに。
息苦しい。
生き苦しいな。