第2.5話「この世界の情報」
どうやらラルガの話だとこの国は北大陸の国のひとつである、『ルインウッズ王国』という国らしくて、東西南北の大陸には迷宮組合があって迷宮も大量にあり、中央の大陸は
魔大陸と言われているらしく迷宮が大量にあって誰も攻略しないから、しょっちゅう氾濫が起こっていて大陸中に魔物が溢れているんだとか。それに海や空には強力な魔物が棲んでいるから橋や船は無く、各大陸に続く転移陣を使わないと大陸間移動は、できないとのことだ。この世界にはレベルやランクが有ってレベルがマックスになるとランクが一つ上がる。ランクの上げ方にはいろんな種類があって、有名なのは迷宮を踏破することでその迷宮の難易度に応じてランクが上がるんだそうだ。そしてこの世界の通貨は共通らしく、全て『リラ』で統一されているんだとか。多分、1リラが2円くらいだと思う。
第3話「迷宮組合」
ラルガに言われた迷宮組合は、東門のすぐそばにあるらしい。そこへ行ってみるとイメージと違ってかなりオシャレな建物だった。中へと踏み入ると受付以外誰もいなくて、受付の人も予想と違ってかなりコワモテのおっさんだった。
「用件はなんだ?」
「登録をしたいのだが」
「なら、この紙にサインしろ」
そうやって出された紙は『原因を問わず命を落とした場合は組合は関係なく、全て自己責任だ』と言う内容だった。全然問題ないな。そう判断した陸は紙にサインした。
「よし、少し待ってろ」
おっさんがそう言って奥に引っ込むと数分してから銅色のカードと小冊子を持って出てきた。
「このカードは組合の登録証でもあると同時に身分証でもあるから絶対無くすなよ。それとこの小冊子は組合の規則を書いている。全部覚えとけよ」
おっさんのそのセリフの後、陸はカードとルール冊子を貰った。
第4話「迷宮デビュー」
おっさんから組合証を貰い晴れて挑戦者(I級)となった陸は、その場でBPの割り振りをすることにした。
「逃げる用で速度は伸ばしたいし、魔法で倒す予定だから魔攻も伸ばしておきたい…。」
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巫坂 陸 LV1/2
Rank1/99999999
job:神をうちに宿す者(隠蔽中)
/挑戦者(I級)
筋力:13 耐久:21
速度:11→15魔攻:19→25
魔耐:21 体力:31
魔回:60/60 取得限度3/♾️ BP:0
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
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「これでいいか。ん?jobが学生から挑戦者に変わったな、何が条件になっているんだ?」
(まあ、いいか。別に害があるわけではないし。)
心の中でそう呟くと王都の南南西にあると言う氷属性の迷宮、「吹雪」に向かうべく組合を後にした。
それから約2時間後。今の時刻は大体3時くらいだろう。
陸はようやく迷宮に着いた。別に陸が道に迷っていた、などではない。シンプルに王都からの距離が遠すぎるのだ。
「遠すぎんだよっ!もう2時間くらい歩いてんだよ!」
そして苦労しながらもたどり着いた迷宮は、アーチ状にレンガを重ねたようなものだった。そのアーチの中には赤黒く、でもどこか神々しく、悪魔的な雰囲気すら感じさせる渦が存在した。『この渦はこの世に存在してはならない。でも、ずっと見ていたい』そう感じさせる何かを持っていた。
陸がその場で呆然としていると、後ろから声をかけられた。
「お前ぇさん、迷宮は初めてか?」
「あ、あぁ。初めてだ。」
「分かるよ、その気持ち。俺だって初めての時は驚いたもんよ。」
話しかけてきたのは三十代後半くらいの
渋おじだった。
迷宮に入るためにアーチを潜った時、
ぬるり、と生暖かい風が首元を舐めた。
入る時に感じた生温かい風とは違い、迷宮の、吹雪の中は涼しかった。
改めて一面を見渡してみると、白い地面なので見つけづらいが至る所に青白い毛のウサギや杖を持っている子供くらいの大きさの鬼が存在した。