高2秋
そろそろ進路を考えなきゃいけない時期
でも夢とかやりたいこととか
これってものはない
大学に行ける頭はない
専門に行くお金はない
就職して生活できるほど社会的じゃない
長生きする気もない
どんなに遅くても30後半になったら死ぬつもり
前人間の自然寿命は38歳って聞いて凄く納得した
その辺りを過ぎたら子供も産めなくなるし
更年期がきて体もガタガタになる
シミとかシワが出てきて、髪も白くなる
科学が発展してるから100年時代なんて言ってるけど
私はこの世界でそこまで生きたいと思わない
それは死にたいとかじゃなくて
死ぬ時は自分が選びたいし
醜くなりたくないから
もちろん死にたいって思う日もある
それは辛い時とかに死ねば楽になるかなって
希死念慮みたいなやつ
でも将来の話をされたりすると
死ぬのもありだなって、至って冷静に
候補の１つとして夢としてまともに考え始める
でも折角死ぬなら
ほんとは舞台に立ちたかった
人前でパフォーマンスするのが好きで
リスカ跡が残って諦めた
そんな時に出会ったのが
腕に沢山傷があってSNSで叩かれてる
半地下アイドルの女の子
今やバラエティに引っ張りだこな
いつもアームカバーをつけてる
元地下アイドルの女の子
地下アイドルならって思って今頑張ってる
母親は大きなオーディションを受けろって言う
自分が知ってる事務所じゃないと許せないんだって
テレビもネットも嫌いで
最近の有名所すら知らない癖に
母親はいつも、私の延命を邪魔してくる
私をこんなのにしたのは間違えなく母親のせい
腕の傷だって母親のせい
それでもまだ、私がまともに生きることを夢見てる
生きる気ないやつに無理してまでまともに
頑張って生きろなんて
大分無茶な話
私は生きるための仕事を探してるんじゃなくて
生きたくなるような仕事を探してるの
名前のない小瓶
