最善を求めて藻掻く事は、何も病的なものではないでしょう?
「病み」を「悩み」にまで拡大してしまえば、「病み」が本来持っていた重大性や緊急性まで矮小化されて、本当に困っている人に適切な支援が届かなくなってしまう。
病みだけじゃない。病名や障害など、様々なものの意味が広がりすぎて、本当に支援が必要な人が蔑ろにされていく。
それが正しいなんて、思えなかったんだ。
ある人は言う。
僕の描く登場人物は皆病んでる。
僕の作る曲も病んでる。
僕自身すら病んでる。
違うよ。
頭を抱える日々も、自分を責めるときも、無いとは言えないけど。
そうやって悩む時間が全く無い人間なんて、誰ひとりとして居ないでしょ?
こうして悩み苦しむ事すらも、僕にとっては芸術で、作品に必要な要素だから。
何も病的なことではないよ。
こんな創作に囚われた生き方しか出来ないのは普通と違うかもしれないけど。
でも、病気じゃなくて、ただの個性。若しくはひとつまみの狂気か。
意味を拡大しすぎちゃいけない。
本来の意味を矮小化させてはいけない。
言葉は生き物、変わりゆくものであると分かっては居るけれど。
せめて本来にその症状で苦しんでいる人が、矮小化によって放り出されないことを祈る。
僕は病んじゃいないよ。
ただ悩んでいるってだけでさ。
簡単にこの言葉を使わないで欲しいな。
本当に病んでいた頃の……
病院で貰った薬を過剰摂取していた頃の僕を、思い出してしまいそうだから。