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連載小説「Peace」#14夜闇を駆ける

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「あぁ?お前、俺等の大事な商売道具に手ぇ出すなよ!」
「早くそいつこっちに寄こせ!」
ごちゃごちゃと蝿共が騒ぎ立てる。五月蝿くって仕方ない。
「黙れ、騒ぐな。明來をモノのように言うな。」
自分から発せられる声を聞いて、今どれだけ怒っているのか改めて実感する。
高鳴る鼓動を抑えるように息を吐き、もう一度真正面から睨みつける。
「俺はお前らと話す時間を無駄だと思ってるから、多くは話さない。ただ、一つだけ。」
そこで言葉を切る。
厨二病、イキリキッズ、と野次がきこえる。でも、構わない。
「明來は返さない。とっととくたばれ。」
気がつくと、頬が熱くなっていた。殴られた、と気付いたのは少し後のことだった。
「説教してんじゃねえよガキがよ!次なんか言ったらお前の前でコイツ輪姦すぞ!」
俺の腕の中で呆然としていた明來の身体に、少しばかり力が籠もる。
こっちに歩み寄ってくる男どもから、明來をどう逃がしてやればいいのだろう。
不甲斐ない話だが、正直俺も怖くなっていた。
ブランド物やタトゥーで身を飾った成人男性の集団はやはり怖い。それがあくまで、小さな自分を隠すためのものだったとしても。
俺の身体に、高そうな時計をつけた腕が触れかける。
と、眼の前に何かが滑り込んできた。
「俺の教え子に触れるな。大人しく捕まってろ。」
設楽先生が言い放つ。と同時に、遠くからパトカーのサイレンが聞こえた。

「あんま無鉄砲なことすんなよ、本当に。」
「すみません。あと、ありがとうございました。警察とか。」
「いいってことよ。一応俺も教師だしな。」
蝿達がパトカーに連れられていく。さっきまであんなに騒がしかったのが嘘みたいだ。
「…お前も怒るんだな。」
「当たり前じゃないですか。」
「いや、なんか天羽って感情ないイメージあったからさ。」
「流石に。ロボットじゃ無いんですし。」
設楽先生と駄弁っていると、警官がこっちに近づいてくる。
「すみません。さっきの女の子、今どこに居ますかね?」
その言葉に、ハッとする。
「あれ、明來?!」
気がつくと、明來が居なくなっていた。

堤防を走る。なりふり構わず全力疾走したのなんて、いつぶりだろうか。
どれだけ明來を想っていても、身体は疲労に従順なようだ。足が重くなり、息が切れる。
それでも、根気だけで足を動かす。
「明來!明來!居たら返事しろ!明來!」
初めて出す声量に、体がついてこない。過呼吸気味になりながらも、叫び声を響かせる。
「おい、明來!!」
返事が来ない。それどころか、人影すら見当たらない。
―もしかして。
背中を、冷たい汗が伝った。

近くの廃ビルに駆け込む。
階段に足を乗せるたび、やたら大きな音が響くのが耳障りだった。
太腿が、もう上がらないと弱音を吐く。肺も、酸素が足りないとせがみだす。
「うるせぇ!!!」
早く、早く早く…!
バンッ!
「明來!!!!」
思い切り屋上のドアを開いた。
そこには、手すりを掴み足を掛ける明來の姿があった。

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