生きている私は醜いから死ぬ時の私は綺麗でいたい。今の私は醜いから最期くらいは綺麗でいたい。
どうしても母を、父を、友人を、そして自分を受け入れられない。必ずストッパーがかかる。全てをぶち壊したい。真っ黒に染まればいい。塗りつぶされて周りとの違いがわからなくなればいい。切り刻まれて再修復出来なくるまで粉々になればいい。こんな身体はいらない。求めていない。求められていない。傷の付いた身体は誰からも愛されない。ただただ壁を作られるだけ。その壁を越えることも、壁のない端の方まで歩いていくことも私には困難なのだ。壁をひたすら素手で叩くことしかできない。嘘をついて、自分を作って、心が微塵もない笑顔を作るだけ。私は醜い。
だから最期は綺麗に終わりたい。誰もいないところでそっと、人の迷惑にならず終わりたい。例えば破裂して何も残らないとか。神隠し的なものにあったりとか。すべての人の記憶から私の存在だけ消えるとか。すべての人に憎まれ殺されるとか。この考えは異常かもしれないけれど私にとって精一杯の「綺麗」であったりする。