髪型も雰囲気も、今あなたの前で着てる洋服だって、実は全部あの子に似せたもの。
あの子は皆から好かれてて、私はそうじゃなかった。だから私があの子みたいになれば好かれるのかもしれない。そう思って私は色々なことをした。
あの子と同じくらいまで髪を伸ばした。あの子はストレートだったから縮毛矯正もした。お化粧はお母さんに教えてもらった。
抵抗はあったけど毎日あの子みたいに女の子らしい格好で学校に行った。
性格はちょっと天然だったからそこも似せた。声の高さも。積極的なところまではハードルが高くて変えられなかったけれど。
私は間違ってなかったみたいだ。今では皆に好かれてるどころかお姫様みたいに扱われてる。たびたび息苦しくなるけど、劣等感だらけの過去よりマシだと思う。あの子には感謝してる。