自分が出来ると思っている事は、皆がまだやってないだけで、始めればあっという間に自分より上手くなってしまうようなものばかりだ。
上達に時間がかかるから、スタートは早めに切った。それでもすぐに追いつかれるから、やって来たことも無意味になる。大した奴じゃなかったなと、無能だと切り捨てられて終わる。
誰かと張り合って勝てると思えなかったから、今までずっと、無能だと思われる前に、別の出来ることを探して、そこに逃げてきた。そんなことを繰り返したお陰で、どれもこれも中途半端だ。
自分が今から始めて出来る事に飛び付いているわけだから、そりゃ誰でも簡単に始められるに決まっている。追い抜かれるのだって目に見えてる。それなのに、自分は切り捨てられるのを先送りにしたくて、ずっと逃げ回っていたわけだ。
少しずつ逃げ道は減っている。そのうち出来ることは増やせなくなって、中途半端な手持ちだけが残る。何か人より出来る事が無ければ居場所なんて無いわけで、詰みの状態になる。