お前と離れたくない
離れたくない
お前とロクに話したこともないけど
この席からずっとお前の背中を見ていた
背中を見ているだけでも からだとこころが、全部もっていかれそうで
溶けそうだった
えげつないほど忙しいのに
お前から目が離れなかった
あれこれ想像して
お前とセックスできたら
もう死んでもいいかも、
とか
でも離したくなくなるんだろうな、
とか
いろいろ考える
お前はこんなにも遠い
四月からは もうお前の背中を見ることもない
もう一生会うこともないのかもしれない
切なくなる
こんな下らない恋愛事で
しかもいい歳こいて一回り以上離れた年下に片思い
こんなに切なくなるのは
なんでだ、
もうすぐ全部終わりなのに
お前のことでいちいちやきもきするのも 全部、全部、全部
これで終わりなのに
離れたくないのは
嫌われても嫌われても
「死ね」と言われても
お前の背中だけでもいいからずっと見ていたいと思うのは、
なんでだ
悔しい、悔しい
なんで俺がこんな思いをしないといけないんだ、
なんで俺がお前なんかのせいで
こんなに切なくならないといけないんだ
でも
いざ離れたら
案外 何とも思わなかったりするのかな
今とは違う場所で いつものように、忙しい忙しいと言いながら働いていたりするのかな
お前のことなんか、微塵も思い出さないくらいに忙しくて忙しくて
そのうち全部 忘れていたりするのかな
そうなればいい
本当に、そうなればいいのに