自分が考えていた以上に、あの出来事はトラウマらしい。もう4、5年前のとこなのに。
他の人に話を聞けば、私と同じような経験をした人も居るし、自分よりもっと酷いなって思うことを経験してる人だって居るから、自分が弱過ぎる、とも思える。けど、あの時の私には精一杯でとても辛かったんだろうなと思う。
楽器をしてて、ダメになった。
先輩も怖かったし、同級生からも色々あった。先輩よりも、同級生の方が重点が重かったと思う。
その時は、ただただ、自分の何がいけないのか、どうすれば文句を言われなくなるのか、あの人達は何を考えているのか、とかをずっと必死で考えてた。
きっと、された事だけじゃないと思う。自分も何かしらやってきたから、ああいう結果になったんだと思う。
引退で、その楽器とは離れた。楽器を演奏することは嫌いじゃなかったけど、演奏するためには集団の中に入っていかなきゃいけない。また同じ事になるんじゃないかって怖かったし、同じ事になった時に耐えられる自信も無かった。
新しい場所で新しい活動をして、それなりに楽しかったけど、その頃の先輩もいたし、上下関係が厳しかった環境から緩い環境になって、実際戸惑った。物足りなさも感じた。もう集団で音楽やりたくないって思ってたけど、やっぱり音楽したいんだな、楽器したいんだなって思った。
進学を期に、新しい環境でまた楽器を、音楽をやってみようと思った。
あの頃とは違って、楽器も音楽のジャンルも違うし、人も全く違うし、先輩後輩の関係ではあるけど、お互い成長してて大人になってるんだなと感じた。少し手放し感があり過ぎて戸惑うこともあって、やっぱり辞めようかなって思うのは何度もあったけど。
でも、あの頃みたいに人間関係で悩むのは少なかったと思う。
意識的に踏み込まないようにしてたから。実際、知らない方が幸せな事ってある。疎外感っていうか距離感はあったけど、楽だった。
けど、楽器と向き合ったり、人と練習したり、付き合いで出かけたりすると、やっぱり人間関係の相関図的な話は出てくる。私にとって、それは知らなくていい事だった。
初めて知った事、考えてたのと違った事、人が人のことをどう思っているか、とか沢山あった。
この手の話のオチは、自分達の話になってくる。こういう事したい、誰と居る、誰が辞める...etc
ここでもやっぱり、あの頃の人間関係と似てる結果になりそうだった。
それから色々考え始めて、思い出さなくていい事を思い出し始めた。不安になった。今日は寝付きが悪かった。身体は休んでたけど思考はずっと起きてた気がする。こんな事初めてだった。私には、まだ耐えられる自信が無いことも分かった。いつからこんな臆病で弱くなったんだろう。
多分、あの頃よりも今の自分は弱いと思う。
朝起きて人前で声を出す機会があった。無関係な人の前で声が震える事は、自分では有り得ないと思ってた(あの頃ずっと声が震えてたわけでもない。この手の話をする時だけ、気持ち震える程度)けど、声が震えた。ただ挨拶とか声かけ程度の言葉なのに。似てるとかでもないし、こんな自分にちょっとだけ驚いた。
本当に、思ってた以上に闇があるんだなと自分で思った。