母が最近通うビーガンのお店に、半ば無理矢理同行させられた。
正直、普通に、砂糖とか牛乳使った方が美味しいと思った。
健康にいいから、普通の料理は身体に毒なのよ、って諭されたけれど、じゃあ逆に、砂糖や牛乳や肉や卵を使った料理を提供する普通の飲食店は、なんだ?害をそこらに振りまいているのと同義だとでも言いたいのか。そうだとしたら、まあ、どれ程の数のテロリスト集団が、世界に溢れかえっていることやら!
店主が知り合いらしいが、席までやってきて、最近セミナーの勧誘や怪しい商品を勧めてくる客が多いと愚痴っていた。
ぶっちゃけ私の目からすれば、これも、同じようなものなのに。根拠が薄く盲信的で、布教しようと爛々迫る態度が、鳥肌立つほど気持ち悪い。疑いを放棄するという、知的生命体として致命的な行動に出ているその様には、感嘆の溜息と賞賛の拍手しか出ない。
結局、私の家のご飯が美味しくなくなったのは、この人の、この店の、果てはビーガンのせいだと納得できた。今日のごはん味薄くね?と言うと、嬉々として「これにはお砂糖の代わりに〜」と語る母親がいる。全くもって美味しくもなく、健康に害を有する事象だ。それこそ植物の真似事に等しいじゃない、ねえ。
私は、味のしない、もそもそとした違和感のある料理を食べて生き長らえるよりも、濃くてとろけてびりびりして、ふわりと甘くてぴりっと辛い、時に苦くて酸っぱくて、きらきらした人生を歩みたいもの。