さようならの話
先輩に告白した。彼女がいるからふられた。
「恋愛対象にはならない、でもとても良い友達にはなれる。」と言われた。
感じ方が似ている。考え方がわかる。心から共感しあえる。
ひとことでは言い表しづらいけど
何かがぴったりと一致する、共鳴しあえるような人だった。
そう言われてからたくさんのことを話した。
先輩の本音を聴ける数少ない人になった。
それなのにわたしときたら。
先輩にとっては「とても良い友達」
わたしにとってはいつまでも「叶わない恋の相手」
たくさんのことを話す中で先輩ぽろっと彼女の話なんかをすると
もう頭が痛くてなんて返したらいいかわからなくて
彼女と2人でいるときはそちらを見ることができない。
深呼吸をしなければ保っていられない。
そんな状態で傍に置かれても生殺しだった。
1度はつらい気持ちを押さえつけようとしたが無理だった。
「こんなに理解し合えるのに、なんでわたしじゃだめなの」
馬鹿なわたしはいつまでも割り切れず、わがままだった。
わたしは先輩に
「わたしは先輩の期待に添えるような友達にはなれない。」と申し出た。
その方が正直先輩も助かるだろう、と。
先輩は「全然良くない、悲しい。けれどそっちの気持ちを尊重する。」と言った。
わたしは先輩の友達でもいられなくなった。
もうちょっかいを出されることも
本音をぶつけ合って笑いあうこともできない。
でもこれがわたしの望んでいた失恋の姿だ。
中途半端に優しさを残さないで、完全に絶ってくれた方が良い。
しかし大事な人を失ったのも確か。
人生で何人出会えるかわからない、こんなに分かり合える人を手放した。
わたしが成長したら、またいつか。