頭の出来は壊滅的だけど、体力と馬鹿力には自信があった。バセドウ病で、一人じゃ通学も出来なくなるまでは。
ついでと言わんばかりに楽器も吹けなくなった。
バセドウ病が落ち着いて、バイトが出来るようになったら、家庭に歪みが出てきた。
目に見える部分は必死でフォローした。誰かさんの機嫌一つで変わる行きたくもないお出かけの車内、気を抜く間もなかった。
結局、やる事なす事徒労に終わり、誰かさんが家にお金を入れなくなった補填は、私の役目になった。
いつ、いくらでも涼しい顔でお金を渡す事で、せめて安心させたかった。あの人には無責任な誰かさんの為に苦しんでほしくなかった。
まぁ、そんな私の気持ちは見事に踏みにじられたんだけどね!あの人が私の心を土足で踏みにじるのは今に始まった事じゃないから仕方ないね!
就職したらしたで壊滅的な頭の悪さが露骨に目立ち出した。それをフォローする為の体力は、とうの昔に失くした。周りの目が痛い。
そしてここに来て発達障害の診断。
あの人が可哀想だ。バセドウ病の治療費だって安くはなかったろうに、私を生かした意味がなくなった。
壊滅的な頭の悪さと発達障害で仕事も碌に出来ず、バセドウ病で体力もない。私、前世で何をやらかした?
ここまで来たら存在自体が迷惑そのもの。あの人にとっても、社会からしても、誰にとっても。
なーにが障害じゃなくて個性です。だよふざけんな。普通の事が普通に出来なきゃ排除されるに決まってんだろ。
最初に障害を個性とか言い出した馬鹿って誰なんだろうな。
だけど一番悪いのは、荒れに荒れて、絶望して、生きる価値も無い、それでも図々しく生きてる自分。役立たずのくせに自殺する勇気もない。
情け無いけど、誰か殺してくれ。
社会からゴミを一匹消すだけの簡単なお仕事だから。
苦しい、もう生きたくないんだ。
助けてください。