小さい頃から家族の顔色を伺って生きてきました。
仲の悪い母と祖母。
給料日になると帰って来なくなる借金塗れの父と。
祖母に逆らえないストレスからアル中の、優しい祖父。
そして兄。
食卓は常に真ん中から半分に別れてて、祖母の食事を食べれば母に叱られ、食べ無ければ祖母が機嫌を損ねる。
給料日の度に大喧嘩をする両親の間で伝言ゲームのように挟まれて。
毎日借金の催促電話には両親は出掛けていますと嘘を吐いて過ごした。
そんな家族を上手く、怒らせないように、気に触らないようにと空気を表情を読むことに必死でいるうちに。
私はすっかり人の顔色を伺う癖がついた。
私が上手く先回りして立ち回れば、面倒な事が怒らなくて済む。
学校にいっても、親戚の家に行っても、友達にも極端に気を使うようになった。
正直、人と過ごすのはとても体力を消費するから嫌いだ。
あの人、この人、とにかく全てを察して諦める、誤魔化す、心にも無い事を言ってみたり、嘘をついたり。
人に合わせて自分を殺しているうちに。
沢山の私が生まれてしまった。
友達用の私。
両親用の私。
会社用の私。
親戚、上司、ネット、祖母、兄夫婦、あの人この人そっちこっち。
最早私にも、私がどれだったのか分からなくなった。
とにかく疲れた。
私は一体どこだろう。
甘えるってどうやるんだ。
素直さって何をすれば手に入るんだ。
私らしい私とはどれだ。
多分この世で一番私を理解できないのは私自身で、いっそ全てリセットしたい。
私は私自身を全て消してしまいたい。