蜘蛛が、
私の部屋の窓のまん前に
大きな巣を作った。
少し大きめのその蜘蛛は、とても綺麗で。そこに巣を作ってくれたことが、なんだかとても嬉しかった。
もしかしたら大勢の人は、
それを気持ち悪いと
言うのかもしれない。
そんな蜘蛛。
だけど私は、
美しいと思ったんだ。
さっきから何回も何回も、
ぐるぐると空中を往復して
昨日の雨で
一度壊れてしまったそれを
一生懸命作っている
綺麗。
ずっと見ていても
飽きない景色だと思う
これから、この糸には
私の部屋の明かりに誘われた小さな命がいくつも絡まって
この蜘蛛はそれらを
喰らうのかもしれない
生きるために、こんなにも
努力しているひとつの命が
今、目の前にある。
自分が恥ずかしくなってくる
自分がとても小さく思えた。
自分がとても無力に思えた。
今、生きているのに、
ちゃんと生きようともせずに
毎日を適当にやり過ごしてる
そんな自分なんかより
目の前の蜘蛛の方が
まだずっと美しい
この文章を読んでいる誰かへ
あなたは、
そんなことを考える私を
狂っていると笑うでしょうか