ここ一週間の精神状態はここ数年で最も酷かった。
人生で最も辛かったのが5年前。それに匹敵しそう
な苦しさだった。今日明日と休日だから大分落ち
着いているのかもしれない。これまでも辛い思い
をするたびにたくさんの先人の教えに縋ってきた。
正直頭で理解したつもりになっては忘れの繰り返し
だった。今日はかなり腑に落ちる地点まで学べた
ことがある。仏教について。仏教は宗教ではない。
信じれば救われるものではない。何千年も前の教え
なのに最先端の治療法であると感じる。苦しみが
なくなる方法を説いたものだからだ。ひとことで
いうと「無痛主義」という無明(無知)から来る煩悩
(欲望)によって苦しんでいるということ。痛みを
なくせば助かる、物事を自分の思い通りにさせよう
という無知が根底にある限り、この世の苦しみが
消えることはないだろう。つまり物事は全て自分の
思い通りに行かないと諦めるということだが、この
理由が「諸行無常」と「諸法無我」である。
無常とは自分がこの世に存在するのは一瞬の出来事
で死んでは全体となりまた別の形で何かが生まれる
ということが繰り返されている。つまり自分も他人
も長い目で見れば全体であり、単体では存在し得
ない縁で繋がっている。無我とは例えば琵琶という
楽器をバラバラに分解して部品の形になってしまえ
ばもうそれは琵琶ではない。自分も同じで、実体の
ない存在ということ。実体のない自分は縁によって
動かされているので、自分を思い通りにすることは
不可能。受け入れて諦めるより仕方ないのである。
言い換えれば色即是空、空即是色である。
自分やあらゆる物事現象は色であり、その実体は
空である。それを受け入れ諦めることができた時
に初めてただ生きる欲望が生まれてくる。バカ
ボンのパパの名言「これでいいのだ」である。
これは諦めようのないことである。仏教には行動
指針も説かれていて苦しみから解放された境地
(涅槃)に至るには八正道(八つの正しい行い)を
勧めている。正しい行いとは中道、偏らないこと
である。何となく分かった気になっているがこれ
からもたくさんの間違いを起こすだろう。その度
にこの地点に戻って来られたら幸いだ。