ユウジンには居場所がありません。
なのに、自由になることが許されません。
「お前は一人暮らしする能力が無い」
「そんなことのために金は払わん」
結局、居場所の無い家に留まるしかない。
バイトする時間も減る。登校に掛かる時間も大きい。しかも、家にはネットが繋がっていない。
ユウジンは、他の家庭がやっていることを自分は出来なくて我慢してきました。
でも、その我慢をこれからもしなければいけません。
「お金があるから生活できているんだ。感謝しろ」と言われても、それはユウジンにとって幸せじゃない。他の家庭と同じような環境にあることが幸せなんだ。
自由も拘束され、衣食も与えられなく、あるのは虚無感だけ。
何を幸せと捉えていいか分からない。
世の中の「普通」が欲しいだけなのに、それを「わがまま」とされ、結局何も手に入らない。趣味も削ったのに。もっともっと欲しいものはあったのに。
手に入らなすぎて何が欲しいのかも分からない。
ユウジンが普通であることはイケナイこと?他の家庭と同じような環境を求めることはわがまま?
また、自殺のことばかり考えてしまう。
考えるのも嫌だし、死んだらそこで終われるから。面倒なこと、全部無くなるから。
ユウジンは、全部自分のせいにすることにしました。
反抗しないこと、誰かに従うこと、精神的奴隷に成り下がること。それが最も上手な生き方です。普段から嫌な思いで居れば、最悪は経験しなくてもいい。
ユウジンはもうひねくれました。
この先恵まれたとしても、多分素直に幸せと取れないでしょう。
不幸な自分が好きです。普段明るいやつを演じているから、何気無いときに他人に恵まれない不幸な現状を話したとき、相手は反応に困っているけど、その気を使われている感が妙に心地いい。
不幸アピールが成功して気持ちいい。
「自分の方がお前より不幸なんだぞ」ってマウント取れることがいい。
誰かに可哀想だと思ってもらえることが心地いい。
別に、自分が一番恵まれてないとは思ってない。当然、もっと酷い家庭もある。
でも、嫌味な奴かもしれないけど、勉強とか、太ってるとか、
恋とか性とか、借金とか、理由は無いけど死にたいとか、そう言ってる奴に言いたい。
「くだらねぇことで悩んでんじゃねぇよ」
「お前らなんかより俺が可哀想なんだよ」って。
イジメも、虐待も、嫌がらせも、陰口も、全部経験してきた。
過去に好きな人を学年全員に暴露もされたし、先生は対応してくれなかったし、幼かった時は殴り返すことでしか抵抗出来なかったけど、それすらも全部俺が悪いとされて親からも暴行を受けた。
家を追い出されたり、包丁も向けられた。両親は仲悪いし、どっちともに責められる。
これ以上に恐れることって何かあるわけ?
人生に失敗したら自殺すれば良いだけでしょ。それでも解放されるんだから。
俺には生きる理由なんてものが無いから、死の恐怖さえ拭えたら死んでるんだよ。
俺を完全に壊して感情無くさせてから後悔すんなよ。その時は最後に金銭的にも世間的にも最大の枷を残して逝ってやる。