隠し事はつらい。
嘘をついているわけではないが、隠していることに罪悪感がある。
でも、言えない。
自分のことじゃないから。
隠すことにしたのは、当事者の意思だから。
本当は言うべきだとわかっている。
でも、当事者の意思を尊重してしまった。
いや、尊重というか、当事者をかばってしまったのだろう。
母親失格だ。
当事者は「死んでしまいたい」という。
自分も同じ気持ちだ。
でも、死んでも誰も幸せにはならない。
私の人生は、生まれたときからきっとこういう運命なのだろう。
普通の家庭で育ちたかった。
普通の家族に囲まれたかった。
あの親から生まれてしまったのは、私の望みだったのだろうか?
私はあの両親の間に生まれて、何がしたかったんだろう。