恋なんてくだらない感情だと思っていた。
私には性欲がないから、基本的に恋愛はわからないから、無縁のものだと思っていた。
最近、友人に依存気味であることに気が付いた。
友人に嫌がられたり、誰かに揶揄されたわけでもない。ただ最近の自分を見つめ直して、その友人と一緒にいる時間がやたら多い事に気が付いた。
怖かった。誰かに依存することが。
そのうち無くなってしまう関係なのに、生活の比重をその友人に預けている。それが本当に恐ろしい。
人生とは依存することだ。物事や趣味、人に少しずつ依存して、支えを増やす事で人は立って行けるのだ。
支えが一つしかないとき、つまりは依存先が一つしかないときに、人はたやすく壊れてしまう。
その支えを無意識のうちに友人に多く置いていた。それが怖かった。
だから距離を置いた。寂しくて気が狂うかと思った。こんなことを人生で何回も繰り返すのなら死んでしまったほうがマシだと考えた。
きっとこれが恋なんだろう。
少し感情が落ち着いて、相手と再度会った時に、やっぱり自分は相手と一緒にいるべきではないなと思った。
こんな相手を振り回しかねない感情を持っている私は、そのうち迷惑を掛けてしまう。
友人には幸せになって欲しい。一緒に幸せになれないことがやっぱり少し寂しいと思うけど、私がいないほうが友人は幸せになれる。
出来れば友人がどこかで幸せになったことを知る前に、死んでしまえたらと思う。