どうして。
どうしてなのだろう
私は許されなかったのに、君たちは許されてきたのだね。
母が大好きだ
出来損ないと言われても
馬鹿はいらないと言われても
大好きだった
だから、出来損ないの私は
外でそう思われないように
母が馬鹿にされないように
恥晒しな人にならないように生きてきた
他人に甘えすぎず
馬鹿になりすぎず
迷惑な人間にならず
手間のかかる人にならず
とにかく、見て、観て、診て、みて
嘘でも笑って、
興味がなくてもきいて
おいしいって言って
好きって言って
うなずいて
目を合わせて
腰を下ろして
無能でも、要らないって言われないように
生きてきた。
自分は甘やかされて育ったという自らを卑下する人間が大嫌いだ
親に愛されたから、能力が低いんだという人間が大嫌いだ
私に羨ましいと安っぽい言葉をかける人間が大嫌いだ
どうして周りを見て行動しないんだ
どうして相手を想って行動できないんだ
どうして集団における自らの立ち回りを思案できないんだ。
愛されて育った人間は、不完全ながらによく出来た人になるのではないのか
どうしたらこんなに脳足らずになれる
何を考えて、どうやって生きてきたんだ。
君たちが大嫌いだ
だから僕は
君たちをみるよ
君たちと話をするよ
君たちと笑うよ
どうして君たちはそれができないんだ。