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19年7月、キンキオタが大黒摩季に救われた話

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これはKinKi Kidsのファンであり堂本剛のファンであり大黒摩季のファンでもある4年前の自分がメモ帳に残してた記録です。社長が亡くなられてすぐのことで、そのあたりの話ががっつりあります。
すごく拙いし今読むと何言ってんだコイツはってところもたくさんあるんだけど、当時の自分の心境がそのまま語られてるので改変なしで忘備録として残しておくものです。
KinKi Kidsも堂本剛さんも大黒摩季さんも今も大好きな人間です。今年の平安神宮も行きます。



19/7/11奈良公演。べっこり凹んだ空き缶のようなメンタルのわたしは大黒摩季に救われた。

※「」内台詞はすべて語尾に(ニュアンス)が省略されてます

大前提として、わたしは堂本剛、KinKi Kidsのファンでもある(というかそちらが本命)。
7/9、ジャニー喜多川氏の訃報をニュースで知った。淡々としている。実感がないというか。ご本人を見たこともなければわたしは事務所全体のファンではなく「堂本剛」と「KinKi Kids」だけをピンポイントに推しているファンだからというのもあると思う。彼らの口から語られる社長の話だけがわたしの中のジャニー喜多川という人物を形成していると言っても過言ではないレベル。

17/10、超私事だが、職場で出勤直後に同僚が過呼吸で倒れ帰宅した。もともと出勤人数の少なかった現場は土日ばりに忙しく、定時になる頃にはくたくたに疲弊しきっていた。大して長く残業することもなく帰宅できたが、仕事の疲労も相まってメンタルは瀕死。そこにじわじわ社長の死が滲んできて、その日横浜でソロライブをしていた剛さんのことが頭を過ぎる。無駄な心配を抱えつつライブの終了しそうな時間からツイッターに張り付きレポが流れてくるのを待つ。まず目に入ったのは、「僕が明るく振舞おうとして痛々しかったとか言うんやめてくださいね、と言っていた」というツイート。なんだか安心した。彼より一回り以上青い人間の杞憂だった。そりゃあ彼はもう40になった素敵なひとなんだから。

7/11、奈良へ向かう電車の中。メンタルは安定していたはずだった。今日もENDRECHERIはライブをする。そう思うと無性に会いたくなった。何か不安とかいうわけじゃなく、ただただ剛さんに会いたくなった。会いたくてたまらなくなった。なんで自分は神奈川にいないんだろう。会いたい、会いたい、会えない。そんなことで頭がいっぱいで、ふと思う。こんな状態で摩季さんのライブを楽しめるのかな?そしてこんなファンがいることは演者に失礼じゃないだろうか。めちゃくちゃに悩む。奈良駅に着々と近づく電車の中で。結局、悩みに悩んだ末、なら100年会館に向かう。塞ぎ込んだままより、ライブに浸れる数時間忘れられる方が良いなどと思ったせいもあり。
開始予定の18:30を大幅に過ぎ、おそらく実際開始したのは18:46(開始前ギリギリスマホで見た時間)。音が鳴る。LOVE MUSCLEの前奏。電車の中で抱えていた憂いがぶっ飛ぶ。客席のペンライトが揺れ摩季さんの力強い歌声が響く。その瞬間から彼女しか見えなくなり、頭から他のことが消え去った。
今年のツアーの構成は、序盤でちょいと踊ったり振りしたり(客側の)ウォーミングアップ的なものの後、中盤で落ち着いた曲で癒してくれ、トイレ休憩後の終盤でガンガンペンラ振ってがっつり盛り上がるナンバーが続くもの。今年のツアー自体は6月の大阪公演で一度入っていて最初から知ってたけど、ていうか知ってたので、たぶん余計に救われたのかなと思う。
中盤2曲目、「あなたがいればそれだけでよかった」。

変わればいいだけならすぐに追いかけて行くのに
もしもどこかで出会っても抱きしめられないんだね
愛しているよ 今でも もう届かないけど

何にとは言わないけど、無意識に重なってしまった。歌詞も覚えてなかった曲。摩季さんの声を拾って頭の中に即席で歌詞を並べる。それで。
2番のサビでああこれやばいなーと思ってはいたものの、ラスサビで大号泣。マザコンのわたしが「Mama forever」でさえ泣かないのに、まさかこの曲で泣くと思ってなかった。いやむしろ摩季さんのライブで泣く日が来るとは全く思ってなかった。いい意味でね。彼女のライブは癒しより楽しむ、たくさん笑うものだと思っていたから。
わたしが好きになった当初の摩季さんのイメージって姉御で。ご本人は「ただの女、泣きたい時もあるし誰かにそばにいてほしい時もあるし、本当の私はそんなに強くない」と大阪で仰ってたんだけど、その姿を我々には決して見せないから、押しつけではなく見えているまま、見せてくれているそのままの大黒摩季というのは、わたしの中でやっぱり姉御だったんですよね。でも今回自分が相当参っていたのもあって、中盤のMC聞きながら、皮肉じゃなく本当に母親みたいな包容力のある人なんだなって思った。今のイメージは姉御と母親を足して割ったような感じ。本当に本当に癒されて、救われた。何かわからないけど、スっと軽くなった。割り切れたのかなと思った。
この曲の後MC入って「真っ暗にするので誰も見てないので泣いちゃってください」と仰ったんだけどすぐに泣きました。まだ客席ライトが残ってる段階で泣きました笑 ちなみに3曲目の「泣いていいんだよ」は泣かずに聴けた。
たぶんここのMCだったと思うんだけど「溜まった涙は全部流しちゃってください」「全部私が受け止めます」って語った摩季さんは間違いなく頼れる姉御で心を絆す母親だった。

それからついでなのでもうひとつ摩季さんの話。
最後のMCで「私たち昭和世代が何を残せるか」を語った。いじめは絶対にいけない、それを世界が看過してしまってはいけない、そんなものに声を上げいじめられている子を助けたい。(大阪公演では「私が助けに行きます」とまで仰ってた。)大前提のその話をした上で、

「傷つける人は救う用意をしてから傷つけなさい」

と力強く語りかけた。元いじめられっ子として考えさせられることがたくさんありすぎて、自分の頭の中のことか摩季さんの言葉なのか整理できていないところではあるんだけども。記憶が確かなら、「傷つける前と何一つ変わらない生活を送れるようにしなさい」と言ってたと思う。それって結局できっこないことで。だから振り出しに戻る。そもそも傷つけてはいけない。元通りにすることなどできないのだから。
摩季さんは毎回、おかわりの人かライブ初見の人かを聞く。常連さんはともかく、初見や付き添い、ふらっと立ち寄った人からはどう思われるかわからないMC。それを保身なくやってのけるところがただかっこよくて、この人を人間的にとても好きだなと思う。
(蛇足だけど、KinKiのライブで真面目な話はまず好意的に取られないことが多い。し、光一さんがそもそも好まない。ので剛さんが真面目な切り出しをして雲行きが怪しくなることがあった。剛さんのソロライブでは依然真面目で彼なりの正義感のある話をよくするけど皆真剣に聞いてるしレポや感想でネガ発言は見たことない。ゆえに客層やそのライブに何を求めてるかにより反応が変わるのかなと思った。そしてわたしは真面目な話大好きウェルカムだけど、摩季さんのライブには楽しいだけを求めてる人が多いんじゃないかなと勝手に思ってた。)

最後にもうひとつ。
去年の大阪(オリックス劇場)公演で「癒し系の大黒摩季いらないなって思ったの」と言われてたのがすごく印象に残ってて。それが今年の奈良の中盤MCで「毎日頑張ってる皆を癒してあげたくて作ったのがResting mucsle」と話されてたのを聞いてあって思ったのね。
去年は「私を大黒摩季にしてください」とずっと言ってたって聞いた。もちろん大阪でも言ってた。だから去年の彼女は「求められている大黒摩季」。
そして今年の彼女は去年与えてもらった「求められている大黒摩季」に「彼女自身が生きてきた大黒摩季」をうまく擦り合わせてステージに立っているんじゃないかなと思った。そんな深い意味なさそうって言われたらまあそれもわかるけど。でもわたしはそう思った。
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