今日の朝方、祖父母宅で祖母と愛犬に見守られながら静かに息を引き取ったらしい。
あまりにも突然のことだった。
実家からも遠距離に住む祖父母はたった一人の孫である私をとても可愛がってくれていた。
最後に会ったのは、コロナの前だった。
祖父と祖母と三人で百貨店に行って、鰻重を食べたっけ。
最後に連絡を取ったのもしばらく前だ。
私の誕生日に祖父から手紙を貰った。
便箋8枚に及ぶ長文で、今まで知らなかった祖父の生い立ちと、私への気遣い、激励の言葉が書かれていた。
その頃の私は精神的に不安定になり始めたばかりで、結局返事を書くことはなかった。
今、手紙を読み返しながらそのことをとても後悔している。
私は今海外在住で、数週間後に日本に帰国する予定だ。
1週間後の祖父の葬式には間に合わない。
おじいちゃん、ごめんね。
さよならも言えない孫で、ごめんね。
今まで面と向かって、大好きの一言も言えなかった。
この人生、家族親戚が死んだのが初めてで、この気持ちが辛いのか悲しいのかすらわからない。
だからこそ、祖父のお葬式に行けないことが苦しい。
帰国の予定を少しでも早めていれば。
せめてお葬式でお別れもできたのに。
祖父にも実家経由で帰国することは伝えていた。
久しぶりの帰国、父方の方にも顔を出す予定だった。
きっと、祖父も楽しみにしてくれていただろうに。
運命って、非情だよ。
ああ、もう今日は寝ないと。
呆然としていたら夜も遅くなっちゃった。
でも涙が止まらない。
返事のかけなかったあの手紙が涙でぐちゃぐちゃになりそうだ。
おじいちゃんはもうこの世から飛び立ったと思うと
おじいちゃんが生きた最後の日が終わっていくんだと思うと
おじいちゃんに2度と手紙の返事を伝えることができないんだと思うと
おじいちゃんのコツコツと音を立てるあの杖の音も
もう聞くことはないんだと思うと
でも、受け入れるしかないよね。
明日の朝、起きて朝食を食べたら、伝えられなかったことを弔電に書き起こそうか。
それが本当のラストチャンスだから。
前を向くしかないんだ。
おじいちゃん、大好きだよ。
どうか安らかに。
おやすみなさい。