成就しない片思いなんてするべきではなかった
「自分を好きになってくれる人」が好きな人と、「自分が好きと思った人」が好きな人、なかなか人を好きになれない私は後者だった。
最後に好きになった人を諦めて約10年、飲み会やアプリで出会いを探したけど好きと思える人には全く出会えなかったのに…
30歳を超えてまた片思いするとは思わなかった。よりによって同じ職場の年下の女性。
最初はしっかりしてる人だなー、という印象だけだったけれどいつの間にか無意識に目で追っていた。
今まで回数は多くないが片思いばかり、そして一度も成就した試しが無い。
失恋の度に心が抉られるような痛みに苛まれ、自信や自己肯定感を喪失してゆく一方。
これ以上傷つきたくなかった、これ以上好きになった人から拒絶されたくなかった。
だから好意を自覚した時に思った事は「しまった」だった。また好きになった人に嫌われ拒絶されるのが怖くて堪らない。
様々な事で削られ続けた結果、失恋のダメージを受け止める事ができる程の心の余裕が今の私にはもう無い事を自覚していた。
その人とは何人かで一緒に遊びに行くし、雑談も普通に出来て仕事の相談もよくされる。
でも彼女は私の事は只の同僚としか見ていない、おそらく既に彼氏もいるのだろう。
それでも今より仲良くなりたくて、もっと話をしてみたい気持ちが抑え切れなくて2人での食事に誘った。
結果はやはりダメ
2人での食事の約束も満足に出来なかった。
こんな人間から好意を持たれても迷惑
嫌な思いをさせてくる身の程知らず
年甲斐も無く言い寄って来て気持ち悪い
そう思われていたのかも知れない。
あらゆるやる気は失せ、頭が回らなくなり普段しないようなミスが増えてきた。食欲も無くなり寝れなくなった。彼女が視界に入る度、届きそうで絶対に手に入らない現実を突きつけられて狂いそうになる。
こうなるのが分かっていたから片思いなんてしては駄目だったのにしてしまった。
好きな人から受け入れられたい、一緒にいたい、嫌われたくない、触れ合いたい、もう一人は嫌だ、寂しい、あの人が欲しい…
今も昔もこんな事ばかりが頭の中を延々と回っている。
端から見たら本当に気持ち悪い事だろう。